こだま

 

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2009年10月21日 04:35:41
2009年10月21日 04:40:24
2010年01月10日 04:00:08
2009年10月21日 04:40:25

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大菩薩峠 35 胆吹の巻 - 中里 介山
  • ...  打込む鍬の音が、こだまを返すほど森閑たるところで、ひとり精根を株根に打込んで、側目(わきめ)もふらず稼(かせ)いでいるのは、この木の株根に執着があるわけではなく、こうして幾つもの株根を掘り起すことの目的は、この土地を開墾する、つまりあらくを切るための労力でなくてほかに理由のあるはずはありません。  米友が胆吹山の下で開墾事業をはじめた。  これは、これだけの図を見れば驚異にも価することに相違ないが、筋道をたずねてみれば甚(はなは)だ自然なものがあるのです。それは後にわかるとして、こうして米友が一心不乱にあらくを切っているとき、 「米友さん――」  そこへ不意に後ろの林から現われたの...
華厳滝 - 幸田 露伴
  • ...も或時は奇妙に反響(こだま)して、瀧の轟きが聞えるのでは無いかと疑つたりした。大平と聞いたので車を止めて下り立つた。瀧見臺へかゝつた。こゝは華嚴の瀧をその三分の二位の高さに當るところから望むところで、三十年も前には人々は大抵こゝから瀧を見るのみであつた。古い記憶は丁度今起つてゐる霧の立隔てゝゐるやうになつてゐるその中をたどつて、瀧を見るべき突端に至つた。客を接する人も居らず、岑閑(しんかん)とした霧の暮に、あらい金網を張つてゐる危ふげな突端にいたると、一谷|呀然(がぜん)として開けて、たゞ白煙蒼霧の埋めてゐるかなたに、恐ろしい瀧の音が不斷の響きを立てゝゐるばかりであつた。心當(こゝろあて)にか...
ひかりの素足 - 宮沢 賢治
  • ...ひました。返事もなくこだまも来ずかへってそらが暗くなって雪がどんどん舞ひおりるばかりです。 「さあ、歩(あ)べ。あと三十分で下りるにい。」  一郎はまたあるきだしました。  にはかに空のほうでヒィウと鳴って風が来ました。雪はまるで粉のやうにけむりのやうに舞ひあがりくるしくて息もつかれずきもののすきまからはひやひやとからだにはひりました。兄弟は両手を顔にあてて立ちどまってゐましたがやっと風がすぎたので又あるき出さうとするときこんどは前より一そうひどく風がやって来ました。その音はおそろしい笛のやう、二人のからだも曲げられ足もとをさらさら雪の横にながれるのさへわかりました。  たうげのいたゞ...
幾度目かの最期 - 久坂 葉子
  • ...たせりふを、自分自身こだまして戻ってくることを、奇妙だ、(これは劇作家の人、どんな気持なのかわからないけれど)とさえ冷静に、その奇妙さを分解したりもしました。芝居が終り写真をうつしたりしました。私はその時既に死を決していたのです。決して、単なるセンチメンタルではない。自分で自分の犯した罪を背負いきれなくなり、もうこれ以上苦しむのはいやだと思ったのです。その時。私は青白き大佐と、少しのみにゆきました。ふぐなどを食べ、その時はもう静かな気持で居たのです。あくる朝、芝居の後始末でごたごたした日を送り、その翌日、私は夜おそく、作曲家の友人から電話をもらったのです。鉄路のほとりの手紙をうけとっているとい...
登山の朝 - 辻村 伊助
  • ...して、ゴーンと陰気にこだまをかえす、と、エコーにつれて、夏の短か夜はしらじらと明けかかる、もう午前五時であった。なだらかなフィルンはもういつのまにか足元になった。  もうフィンシュテラールホルンはシュトラールエックの尾根の上に、錐(きり)みたいにそびえていて、そしてその左に落とすアウトラインが、薄紅く光りだした、と思うとほとんど同時に、オックスや、そのアレトのうしろに、頭だけ見えるグリューンホルンにも、さっと朝日が反射した。私たちが一様にグレッチェルグラスをかけたのは、それからまもないことで、朝の日の溶け込んだ青空の下に、一面にまっ白な楯をついたクーロアールをよじ登るには、それなしには目がち...


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