イルカ

 

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2009年12月4日 16:51:07
2010年01月6日 23:11:01
2009年11月19日 13:05:00
2009年12月14日 13:05:09
2010年01月7日 23:06:11

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恋の一杯売 - 吉行 エイスケ
  • ...達の感受性から海豚(イルカ)の粘々した動物性をうける。ときによると塹壕(ざんごう)から掘出した女|聯隊(れんたい)の隊長の肢体を。もと/\我々が地理と科学の発生を埋葬する。  ――ヨシユキ、何か考えている? 惚れ/″\と妾(わたし)の俳優|羅馬(ローマ)皇帝が。妾は貴男(あなた)に対する研究心を根気よく棄てない、まるでアラビアの貴婦人みたいに。妾に色眼鏡買ってくれたのも貴男の持ち前の愛情が風流男の花輪をかくように。  素敵、どう、でない?  ――妾ったら無条件で貴男に降服することがある。但し貴男が妾の要求を承知しての話なのよ。  一、私が棄てられた情人の頭文字Eを以て、新婚の夜は、...
獄中への手紙 10 一九四三年(昭和十八年) - 宮本 百合子
  • ...愛。 それで海豚(イルカ)は眼を細めている。 一生、陸に上らぬ。  これは希臘(ギリシア)の擬古狂詩(ぎこきょうし)の断片をざっと飜訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の敬蔵(けいぞう)は老荘(ろうそう)の思想から採って、「渾沌未分の境涯(きょうがい)」だといつも小初に説明していた。  瞼(まぶた)に水の衝動(しょうどう)が少くなると小初は水中で眼を開いた。こどもの時分から一人娘を水泳の天才少女に仕立てるつもりの父親敬蔵は、かなり厳しい躾(しつ)け方をした。水を張った大桶(おおおけ)の底へ小石を沈(しず)めておいて、幼い小初に銜(くわ)え出さしたり、自分の背に小初を負う...
アンゴウ - 坂口 安吾
  • ...後七時半  ナイテイルカラカクシテモワカッテシマウト思イマス  小犬のことは、そのほかにも数通あった。その小犬の最後の運命はどうなってしまったのだろう。それは暗号の手紙には語られていなかった。  兄と妹は、こんな暗号をどこで覚えたのだろうか。戦争中のことだから、暗号の方法などについても、知る機会が多かったのだろう。  二人にとっては暗号遊びのたのしい台本であったから、火急の際にも、必死に持ちだして防空壕へ投げいれたのに相違ない。自分たちの本を使わずに、父の蔵書の特別むつかしそうな大型の本を選んでいるのも、そこに暗号という重大なる秘密の権威が要求されたからであったに相違ない。  その暗...
渾沌未分 - 岡本 かの子
  • ...愛。 それで海豚(イルカ)は眼を細めている。 一生、陸に上らぬ。  これは希臘(ギリシア)の擬古狂詩(ぎこきょうし)の断片をざっと飜訳したものだそうだ。それと同じような意味を父の敬蔵(けいぞう)は老荘(ろうそう)の思想から採って、「渾沌未分の境涯(きょうがい)」だといつも小初に説明していた。  瞼(まぶた)に水の衝動(しょうどう)が少くなると小初は水中で眼を開いた。こどもの時分から一人娘を水泳の天才少女に仕立てるつもりの父親敬蔵は、かなり厳しい躾(しつ)け方をした。水を張った大桶(おおおけ)の底へ小石を沈(しず)めておいて、幼い小初に銜(くわ)え出さしたり、自分の背に小初を負う...
水仙 - 太宰 治
  • ...クツモリ。 オ金、イルカ。  ゴザイマス。 絵ヲ、ミセテクダサイ。  ナイ。 イチマイモ?  アリマセン。  僕は急に、静子さんの絵を見たくなったのである。妙な予感がして来た。いい絵だ、すばらしくいい絵だ。きっと、そうだ。 絵ヲ、カイテユク気ナイカ。  ハズカシイ。 アナタハ、キットウマイ。  ナグサメナイデホシイ。 ホントニ、天才カモ知レナイ。  ヨシテ下サイ。モウオカエリ下サイ。  僕は苦笑して立ちあがった。帰るより他はない。静子夫人は僕を見送りもせず、坐ったままで、ぼんやり窓の外を眺めていた。  その夜、僕は、中泉画伯のアトリエをおとずれた。 ...


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