カバー

 

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2010年01月26日 19:35:01
2009年11月11日 11:30:02
2009年11月21日 21:40:01
2010年01月14日 18:21:09
2009年11月18日 00:00:03

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灰色の記憶 - 久坂 葉子
  • ...だ。私は、眠る時、枕カバーの中に、紙切れと鉛筆とを入れてやすみ、朝になるとランドセルの片隅にそれをしまい込んだ。  時々学校で彼に遇い、その度に私はふっとうつむいてしまった。しかし、その感情は長く続かなかった。私達が、螢の光を唄って彼等が卒業してしまい、彼の姿をみつけることが出来なくなると、もう、あの紙片は屑箱の中へほうりこまれ、鉛筆は、使いはたしたか、失ったかしてしまった。すでに私の心の中に彼は住んではおらなかった。  割合によい成績で進級し最上級生になった私は、初めて一しょの級になった首席を通している女の子に好意を持ちはじめた。帰る方向が一しょなので自然親しく口をきくようになり私は彼女...
地底戦車の怪人 - 海野 十三
  • ...扉は開いた。大きな布カバーを取り去ると、下から現れたのは、怪奇な恰好をした重戦車!  地底戦車というのは、これか?    扉(とびら) 「おい、ピート、早くしろ」 「えっ」 「ほら、お前の足もとを見ろ。下から、海水がぶくぶく湧(わ)いてきたじゃないか」 「あっ、もういけませんなあ」 「おい、戦車の扉を開け」 「待ってください。すぐあけます」 「おい、早くしないと、隊長どの、折角の希望が水の泡になる」 「えっ、もう泡をふきだしたのか」 「ちがうちがう。早く、戦車をあけろ」 「やあ、もう大丈夫。さあ、あきますぞ!」  うーんと、大力のピート一等兵が、両腕に...
ヒルミ夫人の冷蔵鞄 - 海野 十三
  • ...ある。  レンズ・カバーをとって、焦点硝子(しょうてんガラス)の上に落ちる映像にしきりにレバーを動かせていると、誰か僕のうしろにソッと忍びよった者のあるのを意識した。だが――  焦点硝子の上には、橋の向うから突然現れた一台の自動車がうつった。緩々(ゆるゆる)とこっちへ走ってくる。それが実に奇妙な形だった。低いボデーの上に黒い西洋棺桶のようなものが載っている。そして運転しているのは女だった。気品のある鼻すじの高い悧巧(りこう)そうな顔――だがヒステリー的に痩せぎすの女。とにかくその思いがけないスナップ材料に、僕はおもいきり喰い下がって、遂にパシャンとシャッターを切った。  眼をあげて、そこ...
大阪万華鏡 - 吉行 エイスケ
  • ...た。  まもなく、カバーをかけたタクシーが夜間薬品店のまえでとまると、なかから、林田三郎が仕掛花火のように商館にかけこんだ。磨かれた車窓に、西紅葉の横顔がスプリングのついた船舶に乗船する女のように輝いていた。  通過記録計(パーシーメーター)がまた一転廻すると、太田ミサ子が、情夫のアメリカ人を連れて、中之島の方面から並木道をつたってあらわれた。  福井貂田が、水晶宮にいたひらめのような女と出現して、しこたまゴム製品を買ってどこかへ消えたころ、私は生田幸子の胸にある真紅の徽章、彼女のエメラルドの海峡から浮びあがって自動扉のスイッチを押して、売品窓からソファに背広のまま仰向けに寝ころんだ売子...
赤い貨車 - 宮本 百合子
  • ...鞋(わらじ)のようなカバーを麻紐でくるぶしにくくりつけ、静かに力づよく押しあいながら、エカテリナ二世宮殿の毛氈の上を歩いた。彼らが、支那皇帝がこの精力的な女皇に贈ったという堆朱(ついしゅ)の大瓶(おおがめ)を眺めている間、そしてこのたいして美しいとも思えぬ瓶一つのために八十年間三代の工人が働いたという説明をきいて、ぼーっと頭のなかにその長い歳月についやされた工賃を反射させている時、別隊のプーシュキン見学団が、宮殿の外の往来で日にやけながら、ある家屋の軒を見上げていた。 「諸君(グラジュダニン)! ここがわれらの大詩人プーシュキンの学んだ貴族学校長、エンゲルガルトが住んでいた家であります」 ...


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