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2010年01月10日 16:36:18
2010年01月11日 16:55:18
2010年01月11日 17:00:02
2009年12月3日 17:51:03

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「カフス」を含む小説

大菩薩峠 41 椰子林の巻 - 中里 介山
  • ...れもない白いカラアとカフスによつて柔かい感じを与へてゐる。読者は青年が彼女に恋を打明けることを期待するであらう。然し彼は馬鹿/\しきローマンスを実行するやうな人間ではない。詩と恋の情熱とはその婦人の純潔なる美の面前に紅葉する顔を被(おお)ふてしまふ。青年は自己の自然の声を黙殺して方正な態度をとる。彼女もまたいつもキチヨウメンで、理性的で、品行方正である。若(も)し彼等が結合を作つたなら、青年は恐らく凍死するの危険を冒さなければならなかつたかも知れないと私は気づかつてゐる。私はこの新しき美人に何等の美を発見する事が出来ないものであることを告白しなければならない。彼女はその夢想する石の壁や床の如く...
菊人形 - 宮本 百合子
  • ...わり長くこしらえて、カフスのところとカラーのところが水色の絹うち紐でしぼられ、その紐が飾り房としてたれていた。その服を着て、海老茶色のラシャで底も白フェルトのクツをはいた二十九歳の母が、柔かい鍔びろ経木帽に水色カンレイシャの飾りのついたのをかぶって俥にのって出かけたとき、三人の子供たちと家のものとは、美しさを驚歎してその洋服姿を見送った。若い母は、ロンドンにいる良人のもとへその洋装姿の写真をおくった。はりぬきの岩に腰をかけ、フェルト靴の先を可愛く白レースと思われた服の裾からのぞかせ、水色カンレイシャで飾られた帽子のつばを傾けて、両手でもった一輪のバラの花を見ている母の写真。それは明治の幻燈のよ...
ポラーノの広場 - 宮沢 賢治
  • ...役所から帰って両手でカフスをはずしていましたら、いきなりあのファゼーロが、戸口から顔を出しました。そしてわたくしが、まだびっくりしているうちに、 「とうとう来たよ、今晩は。」と云いました。 「ああ、先頃はありがとう。地図はちゃんと仕度しておいたよ。この前の音は今でもするの。」 「するとも、昨夜なんかとてもひどいんだ。今夜はもうぼくどうしても探そうとおもって羊飼のミーロと二人で出て来たんだ。」 「うちの方は大丈夫かい。」 「うん。」ファゼーロは何だか少しあいまいに返事しました。 「きみの旦那はなかなか恐い人だねえ、何て云うんだ。」 「テーモだよ。」 「テーモ、やっぱし何だか聞いた...
二都物語 01 上巻 - ディケンズ チャールズ
  • ...紳士が、大きな四角いカフスとポケットに大きな覆布(ふた)のついている、かなり著古してはあるが、極めてよく手入れのしてある茶色の服に正装して、朝食をとりに行く時には、別の給仕と、二人の荷持と、幾人かの女中と、女主人とが、和合(コンコード)の間と食堂との間の通路の処々方々に偶然にもみんなぶらぶらしていたのであった。  食堂には、その午前、この茶色服の紳士より他(ほか)に客はなかった。彼の朝食の食卓は炉火の前へ引き寄せてあった。そして、その火の光に照されながら、食事を待って腰掛けている間、彼は余りじっとしているので、肖像画を描(か)かせるために著席しているのかと思われるくらいであった。  彼はす...
魔術 - 芥川 竜之介
  • ...う言いながら、両手のカフスをまくり上げて、暖炉の中に燃え盛(さか)っている石炭を、無造作(むぞうさ)に掌の上へすくい上げました。私を囲んでいた友人たちは、これだけでも、もう荒胆(あらぎも)を挫(ひし)がれたのでしょう。皆顔を見合せながらうっかり側へ寄って火傷(やけど)でもしては大変だと、気味悪るそうにしりごみさえし始めるのです。  そこで私の方はいよいよ落着き払って、その掌の上の石炭の火を、しばらく一同の眼の前へつきつけてから、今度はそれを勢いよく寄木細工の床(ゆか)へ撒(ま)き散らしました。その途端です、窓の外に降る雨の音を圧して、もう一つ変った雨の音が俄(にわか)に床の上から起ったのは。...

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