ハルピン

 

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2009年12月6日 19:16:17

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「ハルピン」を含む小説

巴里まで - 与謝野 晶子
  • ...午後の二時に哈爾賓(ハルピン)へ着いた。プラツト・フオオムに立つて居た日本人は私の爲に出て居てくれた軍司氏(ぐんじし)であつた。電報が來たと云つて齋藤氏が持つて來た。「西伯利亞の景色お氣に入りしと思ふ」と云ふ大連の平野萬里さんから寄越したものであつた。伊藤公の狙撃(そげき)されたと云ふ場所に立つて、其日眼前に見た話を軍司氏の語るのを聞いた。「此汽車は私のために香木(かうぼく)を焚(た)いて行く」こんな返電を大連へ打つた。石炭を使はないで薪を用ひるのは次の國境迄だ相である。どの驛でも恐い顏の蒙古犬(もうこいぬ)や嚴(いかめ)しいコサツク兵や疲れた風の支那人やが皆私の姿を訝(いぶか)し相に見て居た...
宝石の序曲 - 松本 泰
  • ...さん、またあのいやなハルピンの方が来ていらっしゃるのでしょう? わたし、心配よ。どうかして、あの方をお店へ来させないようにする法はないでしょうか」 「あの人が来ているなんて、どうしてみのりさん分かって?」 「わたしには分かるわよ。あなたの着物に、この間と同じトルコ煙草(たばこ)の移り香がしていますもの。そして、あなたはあの方が来て以来、急に心配事ができたのね。あの方はきっと、悪い人でしょう」 「ええ、わたしにとっては悪い人ですけれども……わたしのほうがもっと悪い人かもしれないわ。……ああ、みのりさん、あなたにお頼みがあるのよ。わたしの大切な大切なものを、だれにも知らせずにそっと預かってい...
日本脱出記 - 大杉 栄
  • ...か温泉へ行ったとか、ハルピンからロシアへ行ったとか、香港からヨーロッパへ渡ったとか、いやどことかで捕まったとか、というようないろんな新聞のうわさを見た。上海の支那人の新聞にも、そうしたうわさを伝えたほかに、ロシアから毎月幾らかの宣伝費を貰っている、というようなことまでも伝えた。  そして、本年某月某日、僕は四月一日の大会に間に合うように、ある国のある船で、そっとまた上海を出た。途中のことも今はまだ何にも言えない。 (上海で何をしていたのかは日本に帰った今でもまだ言えないが、ここで大会の日延べになったことが分ったとか、日本でのいろいろなうわさを聞いたとかいうのはうそだ。それはパリへ行って...
人間レコード - 夢野 久作
  • ...「あの老人を哈爾賓(ハルピン)から見送って来た朝鮮人が、下関駅でタッタ今電報を打ちました。銀座尾張町のレコード屋の古川という男に打ったものですが……」 「ウムウム。あの男なら監視させておるから大丈夫じゃが……その電文の内容は……」 「レコード着いた。富士に乗る……というので……」 「しめたぞッ……それでええのじゃ」  支那人風の巨漢(おおおとこ)がイキナリ膝を打って大きな声を出した。 「エッ」  人相の悪い紳士は眼をパチクリさせた。  支那人風の巨漢(おおおとこ)は顔中に張切(はちき)れんばかりの笑(わらい)を浮かめて立上った。 「ハハハ。イヨイヨ人間レコードを使いおったわい」...
満韓ところどころ - 夏目 漱石
  • ...(は)いて、哈爾賓(ハルピン)産の肥えた馬の手綱(たづな)を取って控えていた。佐治さんは、船から河岸へ掛けた橋を渡って、鳴動の中を突き切って、わざわざ余をその奇麗な馬車の傍(そば)まで連れて行った。さあ御乗んなさいと勧めながら、すぐ御者台の方へ向いて、総裁の御宅までと注意を与えた。御者はすぐ鞭(むち)を執(と)った。車は鳴動の中(うち)を揺(ゆる)ぎ出(だ)した。         五  門を這入(はい)って馬車の輪が砂利の上を二三間|軋(きし)ったかと思うと、馬は大きな玄関の前へ来て静かに留まった。石段を上(あが)って、入口の所に立つや否や、色の白い十四五の給仕が、頑丈(がんじょう...


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