ロール

 

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2009年05月28日 22:55:50
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大菩薩峠 39 京の夢おう坂の夢の巻 - 中里 介山
  • ...)、波形切断機(スクロール)、と蓋の溝にゴムを巻きつける護謨塗機(ライニング・マシン)がある。――工場Bは、階下はラッカー工場で、罐に漆(うるし)を塗るところで、作業は秘密にされていた。階上は罐をつめる箱をつくるネーリング工場で、側板、妻板、仲仕切りを作っている。――出来上った罐とこの空箱が倉庫の二階のパッキング・ルームに落ち合って、荷造りされるわけである。工場Cは森本たちのいる仕上場になっていた。  ――その外の附属は?  河田がきいた。  ――実験室。これはラバー(ゴム引き)の試験と漆塗料の研究をやっています。こゝにいる人は私らにひどく理解を持ってゝくれるんです。どッかの大学を首にな...
昭和二年の二科会と美術院 - 寺田 寅彦
  • ...して――これはコントロールがむつかしいかもしれないが――そうして新しい日本画を募集してみたらどうであろう。その結果はおそらく沈滞した日本画界に画時代的の影響を及ぼすようなものになりはしないか。そうなったら自分も一つやってみようかなどとこのようなたわいもない夢のような事を思うのもやはり美術シーズンの空気に酔わされた影響かもしれない。  勝手なことを書いて礼を失したところが多いと思う。しかし私の悪口は絵に対しての悪口である。名前をあげた限りの「人」に対しては好意と敬愛のほか何物も持っていない事をこの機会に明らかにしておきたい。悪言多罪。(昭和二年十一月、霊山美術) 底本:「寺田寅彦...
ニッポン三週間 - 宮本 百合子
  • ...資本主義独裁と白色テロールの旺盛なところで、階級闘争は激化し、イディオロギー的差異は有無を云わせず作家の陣営を決定しつつある。既に一九二七年、右翼的固執を示した労芸の内部の情勢が三年間停止している筈はない。前田河が発表するプロレタリアート文学に対する感想は、モスクワで読むからばかりでない、どこの工場の隅で読んだって明かな悲しき反動にまで発育していた。其イディオロギーを内部に於ても批判するものがあるのは当然だ。  代作問題だって、突きこんで云えば、ソヴェトでも一九二八年五ヵ年計画第一年頃非常に批判された、プロレタリアート作家の労働者農民の実生活からの分離が原因になってる。日本の先駆的プロレタリ...
戯曲二十五篇を読まされた話 - 岸田 国士
  • ...飛躍を鮮やかにコントロールしてゐる手並は、たしかに非凡である。殊に、この特殊な形式が要求する文体の上に、十分の用意を加へて、立派な劇的効果を収め得たことは正に推賞に値ひする。この人は劇作家である。しかも有望な劇作家である。  幕切に女が箱の中から何を探さうとしてゐるのか、はつきりわからせないところ大いによし。 「主潮」同人樋口正文氏の戯曲批評はこれまでちよいちよい読んだ。作品を読むのはたしか今度が始めてゞある。「開演中」はなるほど、批評家の作品らしいところがある。まづくはない、殊に、そつがない。これも「新時代の犠牲」をゑがいてゐる。が、危いかな、作者自身もその一人にならうとしてゐる。 「...
ゼーロン - 牧野 信一
  • ...うに回転して、コントロールをつけると、ダビデがガテのゴリアテを殺した投石具(スリング)もどきの勢いで、はっしと、ゼーロンを目がけて投げつけた石は、この必死の一投のねらい違(たが)わず、ゼーロンの臀部(でんぶ)に、目醒しいデッドボールとなった。  ゼーロンは後脚で空気を蹴って飛び出した。続け打ちにして、駆け抜けてしまわなければならない。私は重荷に圧(お)しつぶされそうにパクパクと四ツん這いになったまま、全速力で追い縋ると、もう次第に脚竝みをゆるめはじめたゼーロンの頤の下にくぐり抜けていきなり、えいッ! という掛け声と一緒に、飛鳥の早業(はやわざ)で跳ねあがるや、昔、大力サムソンが驢馬の顎骨を引...


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