人力車

 

人力車 ( じんりきしゃ )     人力車についてまとめて読む

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2010年02月1日 19:56:06
2009年12月6日 23:26:05
2009年12月5日 01:06:11
2009年12月6日 06:45:04
2010年01月25日 15:56:07

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月の夜がたり - 岡本 綺堂
  • ...馬車もない。高輪から人力車に乗って急がせて来ると、金杉の通りで車夫は路ばたに梶棒(かじぼう)をおろした。 「旦那、ちょいと待ってください。そこで蝋燭を買って来ますから。」  こう言って車夫は、そこの荒物屋へ提灯の蝋燭を買いに行った。荒物屋――昼間のおかみさんのことを思い出しながら、彼は車の上から見かえると、自分の車から二間ほど距(はな)れた薄暗いところに一人の婆さんが立っていた。それを一と目みると、彼はもう夢中で車から飛び降りて、新橋の方へ一目散に逃げ出した。  師匠の家は根岸だ。とてもそこまで帰る元気はないので、彼は賑やかな夜の町を駈け足で急ぎながら、これからどうしようかと考えた。かの...
備忘録 - 寺田 寅彦
  • ...婦人が衆人環視の中で人力車を降りる一瞬時の観察から、その人の皮膚のある特徴を発見してそれを人に話したので、実に恐ろしい女だと言ってそれが一つ話になった。  彼女は日本の女には珍しい立派な体格の所有者であった。容貌(ようぼう)も醜くないルーベンス型に属していた。挙動は敏活でなくてむしろ鈍重なほうであったが、それでいて仕事はなんでも早く進行した。頭がいいからむだな事に時を費やさないのである。そうして骨身を惜しむ事を知らないし、油を売る事をしらなかったせいであろう。  自分は彼女の忠実さに迷惑を感ずる事も少なくなかった。かまわないで打っちゃっておいてもらいたい事を決してそうはしてくれなかった。つ...
人間失格 - 太宰 治
  • ...、病み上りのからだで人力車に乗って学校へ行き、学年末の試験を受けてみると、クラスの誰よりも所謂「できて」いるようでした。からだ具合いのよい時でも、自分は、さっぱり勉強せず、学校へ行っても授業時間に漫画などを書き、休憩時間にはそれをクラスの者たちに説明して聞かせて、笑わせてやりました。また、綴り方には、滑稽噺(こっけいばなし)ばかり書き、先生から注意されても、しかし、自分は、やめませんでした。先生は、実はこっそり自分のその滑稽噺を楽しみにしている事を自分は、知っていたからでした。或る日、自分は、れいに依って、自分が母に連れられて上京の途中の汽車で、おしっこを客車の通路にある痰壺(たんつぼ)にして...
或阿呆の一生 - 芥川 竜之介
  • ...の娘  二台の人力車は人気のない曇天の田舎道を走つて行つた。その道の海に向つてゐることは潮風の来るのでも明らかだつた。後の人力車に乗つてゐた彼は少しもこのランデ・ブウに興味のないことを怪みながら、彼自身をここへ導いたものの何であるかを考へてゐた。それは決して恋愛ではなかつた。若(も)し恋愛でないとすれば、――彼はこの答を避ける為に「兎(と)に角(かく)我等は対等だ」と考へない訣(わけ)には行かなかつた。  前の人力車に乗つてゐるのは或狂人の娘だつた。のみならず彼女の妹は嫉妬の為に自殺してゐた。 「もうどうにも仕かたはない。」  彼はもうこの狂人の娘に、――動物的本能ばかり強い彼女に...
華厳滝 - 幸田 露伴
  • ...して。  十一日。人力車をやとひて馬返しまで下る。途中、かごの岩、屏風岩など、いづれも他所にあつては名を高くするに足りるものであると賞した。馬返しより自動車を頼んで日光へ下り、東照宮大猷廟(たいいうべう)その他は今囘は遙拜のみして、稻荷川を渡つて霧降の瀧へと向つた。瀧見臺の茶屋まで車で行ける樣になつてゐるので勞は無い。そこから細徑(ほそみち)を少し行くと、俄然として路は巖端(いははな)に止まつて、脚下は絶壁の深澗になり、眼前の對(むか)ひの巖壁に霧降の麗はしい相(すがた)は見えた。華嚴は男性美、霧降は女性美、一は直條的、一は曲折的、一は太い線、一は纖(ほそ)い線、巖の樣子もまた二者の間に相應...


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