十八

 

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2009年11月16日 13:01:16
2009年12月1日 01:40:26
2010年01月19日 21:01:12
2009年11月21日 19:55:02
  • H2O - 倉庫 - H2O 記事4を表示記事4を非表示 2009-11-21 19:55 記事の概要:
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2009年12月20日 22:30:31
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或阿呆の一生 - 芥川 竜之介
  • ...。      十八 月  彼は或ホテルの階段の途中に偶然彼女に遭遇した。彼女の顔はかう云ふ昼にも月の光りの中にゐるやうだつた。彼は彼女を見送りながら、(彼等は一面識もない間がらだつた。)今まで知らなかつた寂しさを感じた。……      十九 人工の翼  彼はアナトオル・フランスから十八世紀の哲学者たちに移つて行つた。が、ルツソオには近づかなかつた。それは或は彼自身の一面、――情熱に駆られ易い一面のルツソオに近い為かも知れなかつた。彼は彼自身の他の一面、――冷(ひやや)かな理智に富んだ一面に近い「カンデイイド」の哲学者に近づいて行つた。  人生は二十九歳の彼にはもう少し...
糸女覚え書 - 芥川 竜之介
  • ...。のみならずお年は三十八ゆゑ、如何に夜目遠目とは申せ、二十あまりにはお見えなさらず候。  三、澄見のこの日参り候は、内々治部少かたより頼まれ候よしにて、秀林院様のおん住居(すまひ)を城内へおん移し遊ばされ候やう、お勧め申す為に御座候。秀林院様は御勘考の上、御返事なされ候べしと、澄見には御意(ぎよい)なされ候へども、中々しかとせる御決心もつきかね候やうに見上げ候。然れば澄見の下がり候後は「まりや」様の画像の前に、凡(およ)そ一刻に一度づつは「おらつしよ」と申すおん祈りを一心にお捧げ遊ばされ候。何も序(ついで)ゆゑ申し上げ候へども、秀林院様の「おらつしよ」は日本国の言葉にては無之、羅甸(ラテン)...
英雄の器 - 芥川 竜之介
  • ...の楚の軍は、たった二十八騎です。雲霞(うんか)のような味方の大軍に対して、戦った所が、仕方はありません。それに、烏江の亭長(ていちょう)は、わざわざ迎えに出て、江東(こうとう)へ舟で渡そうと云ったそうですな。もし項羽(こうう)に英雄の器があれば、垢を含んでも、烏江を渡るです。そうして捲土重来(けんどちょうらい)するです。面目(めんもく)なぞをかまっている場合じゃありません。」 「すると、英雄の器と云うのは、勘定に明いと云う事かね。」  この語(ことば)につれて、一同の口からは、静な笑い声が上った。が、呂馬通は、存外ひるまない。彼は髯から手を放すと、やや反(そ)り身になって、鼻の高い、眼光の...
貝殻 - 芥川 竜之介
  • ...なかつた。それは彼が十八の時、或年上の宿屋の女中と接吻したと云ふことだつた。彼は何もこの情事だけは話すまいと思つた訣(わけ)ではなかつた。唯ちよつとしたことだつた為に話さずとも善(よ)いと思つただけだつた。  それから二三年たつた後(のち)、彼は何かの話の次手(ついで)にふと彼女にこの情事を話した。すると彼女は顔色(かほいろ)を変へ、「あなたはあたしを欺ましてゐた」と言つた。それは小さい刺(とげ)のやうにいつまでも彼等夫婦の間に波瀾を起す種(たね)になつてしまつた。彼は彼女と喧嘩をした後(のち)、何度もひとりこんなことを考へなければならなかつた。――「俺は余り正直だつたのかしら。それとも又ど...
彼の長所十八 ――南部修太郎氏の印象―― - 芥川 竜之介
  • 彼の長所十八 ――南部修太郎氏の印象―― 芥川龍之介  一、語学の英露独など出来る事。但どの位よく出来るか知らず。  二、几帳面なる事。手紙を出せば必ず返事をくれるが如き。  三、家庭を愛する事。殊に母堂に篤きが如し。  四、論争に勇なる事。  五、作品の雕琢(ちょうたく)に熱心なる事。遅筆なるは推敲の屡なるに依るなり。  六、おのれの作品の評価に謙遜なる事。大抵の作品は「ありゃ駄目だよ」と云う。  七、月評に忠実なる事。  八、半可な通人ぶりや利いた風の贅沢をせざる事。  九、容貌風采共卑しからざる事。  十、精進の志に乏しからざる事。大作をやる気になったり、...

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