山中湖

 

山中湖 ( やまなかこ )     山中湖についてまとめて読む

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2009年12月26日 09:21:06
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道学先生の旅 - 戸川 秋骨
  • ...自動車は快よかつた。山中湖畔での休息は特によかつた。それから例の籠坂峠を一氣に下つた。七八臺の自動車がかなりの速力で前後して、紆餘曲折した道を下つて飛ばして行くのは、何か活動寫眞にでもありさうな圖で、これは亦一興であつた。汽車は非常に込み合つて居て、坐る席などは絶無であつた。私は學生から讓られて、婆さんが不相應に足をのばして居るその傍に、僅かに腰を下し得た。すると對坐して一人の青年が居た、中學生で、如何にも眞面目な靜かな樣子である。何中學の生徒であるかはその説明をまつまでもなく、帽子がそれを語つて居た。青年は一卷の書物をのぞいて居る、見るとそれは藤村君の「破戒」であつた。此も修學旅行の歸りと見...
雪中富士登山記 - 小島 烏水
  • ...が注(つ)かなかった山中湖が、半分ほど見えて来た、室は無論人はいないが、それでも明けッ放しになっている。なお登ると、二合二勺の室には水まで汲み込んだ樽が置いてあり、竈(かまど)の側には、薪が三把ほど転がっている、防寒具を整えて来なかったが、これで焚火(たきび)に事欠かないと解って、仮令(たとい)天候が悪くっても、泊る宿があるという気強さが、頓(にわか)に胸に溢れて来る。  もう山を浸していた霧も、気温のために、方々から湯気のように蒸騰して、砂の息蒸(いきれ)の匂いが何処からともなくする、二合五勺に辿り着いた頃には、近くは勾玉(まがたま)状に光れる山中湖と、その湖畔の村落と、遠くは函根足柄を越...
不尽の高根 - 小島 烏水
  • ...捨てられた鏡のような山中湖は、反射が強くて、ブリッキ色に固く光った。道志山脈、関東山脈の山々の衣紋(えもん)は、隆(りゅう)として折目を正した。思いがけなく、落葉松(からまつ)の森林から鐘が鳴った、小刻みな太鼓が木魂(こだま)のように、山から谷へと朝の空気を震撼(しんかん)した。神主の祝詞(のりと)が「聞こし召せと、かしこみ、かしこみ」と途切れ途切れに聞える時には、素朴な板葺(いたぶき)のかけ茶屋の前を通って、はや小御岳神社へと詣(もう)でるころであった。神社の庭には天狗がおもちゃにするというまさかり、かま、太刀などが、散乱している。室の人が、杖に「大願成就」という焼印を押してくれた上に、小御...
香魚の讃 - 佐藤 垢石
  • ...川である。富士山麓の山中湖から源を発して三、四十里、相州の馬入村で太平洋へ注ぐまで、流れは奔馬(ほんば)のように峡谷を走っている。中にも、甲州地内猿橋から上野原まで、また相州地内の津久井の流水に棲む鮎は、驚くほど形が大きい。それを、激流に繋(つな)いだ軽舟の上から、三間竿に力をこめて抜きあげる風景は、夏でなければ見られぬ勇ましさである。  七月末になれば、一尺に近い大物も鈎を背負って水の中層を逸走する。そして、肉の質もよくて香気も高い。  多摩川は、亡びてしまったとはいえ、まだ人気は残っている。六月の解禁のはじめに、毎日未明に釣り場へ押しかけた東京人は幾万であるか知れなかったのである。しか...
釣った魚の味 - 佐藤 垢石
  • ...ぎ)の季節だ。富士の山中湖や、上州の榛名湖では氷の上でこの公魚が釣れる。銀鱗の底に紫色の艶が光って、まことにおいしそうである。これをチリの材料にすると大そうよろしい。また、ふらいにするとよく油になじむ。公魚は、焼くと肉に渋味が出て結構でないように思う。  駿河や伊豆地方では、この寒さの中でも山女魚(やまめ)が釣れる。しかし、五、六寸以上の大きなものは肌の色が黒くさびている。これは、産卵後の体力の回復していない魚であるから、食べても甚だおいしくない。これは釣って直ぐ死なぬうちに、川へ放ってやるのが釣りの道徳である。家へもち帰ってはいけない。けれど三、四寸のものは、春の雪代山女魚と同じ味で食べら...


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