平安時代

 

平安時代 ( へいあんじだい )     平安時代についてまとめて読む

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ほうとする話 祭りの発生 その一 - 折口 信夫
  • ...とを一続きに見てゐた平安時代の農民信仰が「花を鎮む」と書く鎮花祭によく似てゐる。 鎮花祭は、三月末の行事だが、此は夏祭りの部類に入るものである。やすらひ祭りとも言ふのは、其踊り歌の聯毎の末に、囃し詞「やすらへ。花や」をくり返すからだと言ふ。昔は、木の花を稲の花の象徴として、其早く散るのを、今年の稲の花の実にいる物の尠い兆と見たのだ。歌の文句も「ゆつくりせよ。花よ」と言ふ義で、桜に寄せて、稲を予祝するのである。其が、耕田の呪文と考へられて、蝗を生ぜしめまいとの用途を考へ出させた。田の稲虫から、又、其家主等の疫病を、直に聯想して、奈良以来、春・夏交叉期の疫病送りの踏歌類似のものと見做される様にな...
村々の祭り - 折口 信夫
  • ...あつて、山の神人だ。平安時代の者は、官人或は刀禰たちの仮装に過ぎないで、山人自身意義も知らなかつたであらう。が「穴師(アナシ)の山の山人」と神楽歌にも見えた大和宮廷時代から伝承したらしい山人は、大和国の国魂であり、長尾市宿禰が、祭主即、上座神人に任ぜられたのであつた。此は伊勢の大神が常世の神の性格を備へて居るのに対して、山の神である穴師の神に事へた山の神人即、山人の最初の記録である。 水の神でもあつた常世神の性格を移しとつた、山の神は――大和宮廷の伝承をある点まで拡げて行つてよいとしたら――水の神にもなつた。だから、田の神とも自然考へられる様になる。田植ゑに来るまれびとは、稍久しく村に止つて...
『かげろふの日記』解説 - 折口 信夫
  • ...のもあつたであらう。平安時代もそこまで来ると、余程、複雑になつてゐる。伊勢物語との距離は精確にはわからぬが、実際は大した年代を経てゐないのであらう。大きく見積つて二百年には足らぬ年月だと思ふ。伊勢には極めて簡単に伝へてゐる物語が、今昔では、此様に育つてゐる。さう言ふ気のするものもあつた。殊に「曠野」にとりあげた原話などは、さう思はせられる。はつきりと同じ物語の、古い形と、新しい形だとはきめられぬのが、伝説文学の常なのである。伊勢には二つあつて、二つながら、今昔のとは、初めが違つてゐて、再会の所からがおなじ様になる。その片方は、殆同じ歌をとり入れてゐる。だが、歌が大体おなじだからと言つて、同じ伝...
堕落論 - 坂口 安吾
  • ...要を嗅ぎつけていた。平安時代の藤原氏は天皇の擁立を自分勝手にやりながら、自分が天皇の下位であるのを疑りもしなかったし、迷惑にも思っていなかった。天皇の存在によって御家騒動の処理をやり、弟は兄をやりこめ、兄は父をやっつける。彼等は本能的な実質主義者であり、自分の一生が愉(たの)しければ良かったし、そのくせ朝儀を盛大にして天皇を拝賀する奇妙な形式が大好きで、満足していた。天皇を拝むことが、自分自身の威厳を示し、又、自ら威厳を感じる手段でもあったのである。  我々にとっては実際馬鹿げたことだ。我々は靖国神社の下を電車が曲るたびに頭を下げさせられる馬鹿らしさには閉口したが、或種の人々にとっては、そう...
古代に於ける言語伝承の推移 - 折口 信夫
  • ...、大ざつぱに、奈良・平安時代のものを読むと、言文一致の様にも見えるが、細かくつゝくと、さうではないのである。 口頭伝承と、言語とは、別なものである。そして後者は、段々時代の経るに従うて変化して行くもので、民族が古ければ古い程、多く変化する。が、口頭伝承の方は、一部分は、時代と調和するが、段々時代の経過するにつれて、其処に変な、鵺のやうな文章が出来上る。これの一番発達したものが、平安朝の女官の書いた、所謂女房の文学で、一見、口語の現し方と同じやうに見えながら、その変な所が、あり/\と見える。 一体文体が、口頭伝承と言語とに、分化したのは、どういふ訣かといふと、畢竟は、口頭伝承を尊敬する考への...


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