徳川家康

 

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「徳川家康」を含む小説

二流の人 - 坂口 安吾
  • ...毛利、信長と兄弟分の徳川家康、手当り次第に密使を差向けて信長退治のふれを廻す。一応の大義名分のあるところ、本人自体が無力なほど始末が悪く、不断に陰謀の策源地である。信長の困却ぶりをウンザリするほど見てきた秀吉であるから、小田原陣が終り己れの足場が固定したのを見定めると、信雄の領地を没収して、秋田に配流、温和な狸の動きだす根を絶やしてしまつた。  当時、中部日本、西日本は全く平定、帰順せぬのは関東の北条と奥州だつた。この奥州で、自ら奥州探題を以て任じ、井戸の中から北国の雪空を見上げて、力み返つてゐたのが伊達政宗といふ田舎豪傑である。この豪傑に片目の無いのは有名であるが、時に二十四才、ザンギリ髪...
女性の歴史 文学にそって - 宮本 百合子
  • ...成が大阪城によって、徳川家康に反抗しようとしたとき、徳川の側に立っていた細川忠興の妻であり、秀吉によって実家の一族を滅された光秀の娘であるガラシアは、大阪城へ入城を強要されたのを拒んで、屋しきに火をかけて、老臣に自分を刺させて死んだ。三十六歳の短い生涯の間に、おたまの方は、武門の女の人生の苦痛を味わいつくして、その生をとじたのであった。  この時代には文学の創造者としての婦人は存在し得なくなった。この時代の特色ある文学として現れた謡曲の中に婦人は描かれるが、それは例えていえば物狂い――気狂いとか、愛情の絆によって、生きながら生霊(いきりょう)となり、また死んでも霊となって現れるような、切ない...
日本脱出記 - 大杉 栄
  • ...で言えば豊臣秀吉とか徳川家康とかいうのと同じことじゃないか。が、お蔭で僕は、それが君だってことがすぐ分ったんだ。本当の支那人でそんな馬鹿な名をつける奴はないからね。」  この友人は、近く広東へ乗込む孫逸仙一行の先発隊として、あしたの朝上海を出発するのだった。したがって、もしその晩会えなければ、しばらくまた会う機会がないのだった。 「新政府の基礎ができたら、ぜひ広東へ遊びに来たまえ。陳烱明は何にも分らないただの軍人なのだが、社会問題には大ぶ興味を持っているし、僕等も向うへ行けばすぐ、支那や外国の資本家を圧迫する一方法としてだけでも、大いに労働運動を興して見るつもりなんだ。」  今は立派な政...
怪異黒姫おろし - 江見 水蔭
  • ...よそ古今武将の中で、徳川家康(とくがわいえやす)という古狸(ふるだぬき)位、銭勘定の高い奴(やつ)は無いとじゃった。欲ばかり突張っていたその為に、天下も金で取ったようなもの。その金好きを見抜いて喰入ったのが、元甲州は武田家の能楽役者、大蔵十兵衛(おおくらじゅうべえ)と申した奴。伊豆に金山(かなやま)の有る事を申上げてから、トントン拍子。それから又佐渡の金山を開いて大当りをして、後には大久保(おおくぼ)の苗字を賜わり、大久保|石見守長安(いわみのかみながやす)とまで出世したのじゃが、それ程の才物ゆえ、邪智にも長(た)けていて、私(ひそ)かに佐渡吹きの黄金を隠し置き、御役御免になっても老後の栄華、...
露訳短篇集の序 - 芥川 竜之介
  • ...的天才たち、源頼朝や徳川家康に可なり近い天才です。言はば東洋の草花(くさばな)の馨(かを)りに滿ちた、大きい一臺の電氣機關車です。近代の日本文藝が近代ロシア文藝から影響を受けることが多かつたのは勿論近代の世界文藝が近代のロシア文藝から影響を受けることが多かつたのにも原因があるのに違ひありません。しかしそれよりも根本的な問題は何かロシア人には日本人に近い性質がある爲かと思ひます。我々近代の日本人は大きいロシアの現實主義者たちの作品を通して(durch, through)兎に角ロシアを理解しました。どうか同樣にロシア人諸君も我々日本人を理解して下さい。(我々日本人は世界的には美術や美術工藝を除いた...


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