瀬戸内海

 

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2010年01月17日 00:51:09
2009年10月23日 03:40:09
2009年12月8日 21:16:08
2010年01月15日 19:46:24
2010年01月25日 01:36:13

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「瀬戸内海」を含む小説

永遠のみどり - 原 民喜
  • ...ゐた。眼の前に見える瀬戸内海の静かなみどりは、ざわめきに疲れた心をうつとりとさせるやうだつた。汽船が桟橋に着くと、灯のついた島がやさしく見えて来た。旅館に落着いて間もなく、彼はある雑誌社の原爆体験者の座談会の片隅に坐つてゐた。  翌日、ペンクラブは解散になつたので、彼は一行と別れ、ひとり電車に乗つた。幟町の家へ帰つてみると、裏の弟と平田屋町の次兄が来てゐた。かうして兄弟四人が顔をあはすのも十数年振りのことであつた。が、誰もそれを口にして云ふものもなかつた。三畳の食堂は食器と人でぎつしりと一杯だつた。「広島の夜も少し見よう。その前に平田屋町へ寄つてみよう」と、彼は次兄と弟を誘つて外に出た。次兄...
永遠のみどり - 原 民喜
  • ...いた。眼の前に見える瀬戸内海の静かなみどりは、ざわめきに疲れた心をうっとりさせるようだった。汽船が桟橋に着くと、灯のついた島がやさしく見えて来た。旅館に落着いて間もなく、彼はある雑誌社の原爆体験者の座談会の片隅に坐っていた。  翌日、ペンクラブは解散になったので、彼は一行と別れ、ひとり電車に乗った。幟町の家に帰ってみると、裏の弟と平田屋町の次兄が来ていた。こうして兄弟四人が顔をあわすのも十数年振りのことであった。が、誰もそれを口にして云うものもなかった。三畳の食堂は食器と人でぎっしりと一杯だった。「広島の夜も少し見よう。その前に平田屋町へ寄ってみよう」と、彼は次兄と弟を誘って外に出た。次兄の...
壊滅の序曲 - 原 民喜
  • ...あつたし、街のはての瀬戸内海の方角には島山が、建物の蔭から顔を覗けた。この街を包囲してゐるそれらの山々に、正三はかすかに何かよびかけたいものを感じはじめた。……ある夕方、彼はふと町角を通りすぎる二人の若い女に眼が惹きつけられた。健康さうな肢体と、豊かなパーマネントの姿は、明日の新しいタイプかとちよつと正三の好奇心をそそつた。彼は彼女たちの後を追ひ、その会話を漏れ聴かうと試みた。 「お芋がありさへすりやあ、ええわね」  間ののびた、げつそりするやうな、声であつた。  森製作所では六十名ばかりの女子学徒が、縫工場の方へやつて来ることになつてゐた。学徒受入式の準備で、清二は張切つてゐたし、...
壊滅の序曲 - 原 民喜
  • ...あったし、街のはての瀬戸内海の方角には島山が、建物の蔭(かげ)から顔を覗(のぞ)けた。この街を包囲しているそれらの山々に、正三はかすかに何かよびかけたいものを感じはじめた。……ある夕方、彼はふと町角を通りすぎる二人の若い女に眼が惹きつけられた。健康そうな肢体(したい)と、豊かなパーマネントの姿は、明日の新しいタイプかとちょっと正三の好奇心をそそった。彼は彼女たちの後を追い、その会話を漏(も)れ聴こうと試みた。 「お芋がありさえすりゃあ、ええわね」  間ののびた、げっそりするような声であった。  森製作所では六十名ばかりの女子学徒が、縫工場の方へやって来ることになっていた。学徒受入式の...
大脳手術 - 海野 十三
  • ...は、ヨットに乗って、瀬戸内海の遊覧列島へ出発した。  幸福な、そして豪華な生活に、私たちは暦(こよみ)を忘れて遊び廻った。が、このような生活もいつしか飽(あ)きを覚える時が来た。勘定してみると、丁度(ちょうど)三ヶ月の月日が経っていた。そこで私達はどっちからいい出すともなくそれをいい出してこの島を離れ、元の古巣である都会へ引返した。  私は珠子と同棲するために新しい住居(すまい)を見つけるつもりでいたところ、珠子はそれに反対だった。同棲するには準備もいることだし、旧居を片付けるためにも時間を要するから、大体あと五週間の余裕を置いてくださらないと訴えた。私は、五週間はちょっと永すぎると思った...


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