爬虫類

 

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2010年02月2日 21:21:07
2010年02月2日 21:26:04
2009年10月18日 22:31:06
2009年05月21日 21:35:24
2009年11月19日 15:40:00

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火の踵 - 原 民喜
  • ...草木は焼跡に密生し、爬虫類は生き残るであらう)ニユー・アダムは微かに悲しげに呟く。  ある日、雨に降り籠められて、彼は甥と雑談に耽つてゐたが、 「原子力以外にまだ発見されてゐないものがあるだらう」  ふと、その言葉が口を滑り出ると、彼のなかにニユー・アダムがギラギラと眼を輝かしだした。何を描かうとするのか煽りださうとするのか、とにかく激しく悩ましいものが一時に奔騰した。そして彼はやたらに異常なことがらを喋りまくつた。 「今にきつと人類全体の消費する食糧なんか三日間で一年分生産できるやうになるよ、今に」 「うーん」と甥は曖昧に頷くのだが、彼の方は向に見えてゐる麦畑が既に幼稚きはまる過去...
平和への意志 - 原 民喜
  • ...草木が密生する地上を爬虫類のみが徒らに跳梁する光景が残されるばかりではあるまいか。  一人の人間が戦争を欲したり肯定する心の根底には、他の百万人が惨死しても己れの生命だけは助かるといふ漠たる気分が支配してゐるのだらう。無論、過去の戦争においては、さうした事もあり得た。だが、戦争は今後、あらゆる国家あらゆる人間の一人一人を平等に死滅に導くといふことを特に銘記すべきだ。 「人々の心の中でのみ戦争は防止できぬが、人々の心の中で戦争を承認するときは、遂に人類は自滅せざるをえない段階に立ちいたることを、われわれは心に焼きつけようではないか!」(平田次三郎)結局「戦争を防ぐのは我々であり、我々の一人一...
爬虫館事件 - 海野 十三
  • ...いますと――」 「爬虫類(はちゅうるい)の大家です。医学士と理学士との肩書をもっていますが、理学の方は近々学位論文を出すことになっているので、間もなく博士でしょう」 「変った人ですね」 「いや豪(えら)い人ですよ。スマトラに三年も居て蟒(うわばみ)と交際(つきあ)いをしていたんです。資産もあるので、あの爬虫館を建てたとき半分は自分の金を出したんです。今も表に出ているニシキヘビは二頭ですが、あの裏手には大きな奴が六七頭も飼ってあるのです」 「ほほう」と帆村は目を円(まる)くした。「その非公開の蛇も検(しら)べたんですか」 「そりゃ勿論ですよ。研究用のものだからお客さんにこそ見せませんが...
○○獣 - 海野 十三
  • ...色だ。さもなければ、爬虫類(はちゅうるい)の卵のようにも思える。敬二には、今夜の月がいつもとは違った、たいへん気味のわるいものに思えてくるのだった。  そのときだった。  ビビビーン。奇妙な音響が敬二の耳をうった。そう大きくない音だが、肉を切るような異様(いよう)に鋭い音だった。 「今時分、何の音だろう?」硝子窓の方に耳をちかづけてみると、その窓硝子がビビビーンと鳴っているのだった。  なぜ窓硝子は鳴るのだろう、彼はこれまでにこの窓硝子の鳴ったのを一度も聞いたことがなかった。だからたいへん不思議なことだった。だが窓硝子はひとりで鳴るはずがない。必ず何処かに、この窓硝子を鳴らすための力が...
職工と微笑 - 松永 延造
  • ...臭も混入し、眠った、爬虫類の様にソッケなく、もし、何か光が出るとすれば、それは夜光虫のと同じで、水の中にある様なものでなくてはならない。それ程彼は沈み勝ちで、何だか、夜陰の川をゆっくりと流れる浮燈籠の様でもあった。  要するに、彼は一番真面目に生きていると信じ乍ら、然もやっている事が皆遊戯なのを知らぬ人間である。例えば、彼は蟻を夢中で見詰める。その夢中な有様は少し狂気を交えている。何も知らない蟻の方では、力一杯に腐った蛙の子を運んでいる。 「おお、何て一生懸命、可愛がってやらねば……」彼は涙ぐんで、蛙の腐肉を蟻の穴へと手伝って運んでやる。けれど、若し、街頭で子を背負い乍ら車の後押しをしてい...


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