管弦楽

 

管弦楽 ( かんげんがく )     管弦楽についてまとめて読む

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ジャン・クリストフ 03 第一巻 曙 - ロラン ロマン
  • ...時には、クリストフは管弦楽団の長となった。彼は指揮者でありまた楽員であった。指揮し、また歌った。それから彼は、小さな緑の頭が風に動いてる藪に向かってお辞儀をした。  彼はまた魔法使であった。よく空を眺めながら大手を振って、大股(おおまた)に野の中を歩いた。彼は雲に命令を下した。――「右へ行け。」――しかし雲は左へ動いていた。すると彼は雲をののしって、命令を繰返した。自分の命令に従う小さなのでもありはすまいかと思って、胸を躍(おど)らせながら横目で窺(うかが)った。しかし雲は平然と左の方へ飛びつづけた。彼は足をふみ鳴らし、杖を振り上げて雲をおどかし、左へ行けと怒って命令をかけた。するとこんどは...
ラジオ雑感 - 寺田 寅彦
  • ...り違って聞こえても、管弦楽はやはり管弦楽として聞取られるし、長唄はやはり長唄として聞かれる。聞きたくなければ聞流している事も音楽ならばそれほど困難ではない。これは自分が音楽に対して素人(しろうと)であって、日本語に対して玄人(くろうと)であるためかもしれない。しかしまた人間の言語というものがあらゆる音響現象のうちで最も精妙を極めた機巧を具備したものだという事を意味するかもしれない。音楽の方はかなりまで好い加減に色々に変化させても、やはり同じものとして認め得られるが、人間の言語はそれがただほんのごくわずかでも変形すればもはや全然別のものに変って識別出来なくなってしまうのである。  それはとにか...
連句雑俎 - 寺田 寅彦
  • ...できる。これが大きな管弦楽ならばまたいっそう多数の音が重畳して来るわけであるが、連句の一句に同時に響いて来る表象情緒の重なり方の複雑さは、管弦楽などよりもいっそうウルトラの複雑さで到底数字や記号で表わさるべき程度のものではないのである。それでもわれわれはともかくもこの二つのものの和弦的(かげんてき)要素の比較にある意味を認めることだけはできるように思う。  複音が相次いで進行する場合にそこにいろんな込み入ったいわゆる和声学(ハルモニー)上の規則が生まれて来る。これらを一々引き合いに出して連句の場合に付会しようとしても、それはおそらく始めから無理であるにきまっているが、しかし連句の相次ぐ二句の...
映画雑感(5[#「5」はローマ数字、1-13-25]) - 寺田 寅彦
  • ...       三 管弦楽映画  ベルリンフィルハルモニーにおける「地獄のオルフォイス」と「カルメン」の演奏を写したものであったが、これを見ながら聴きながら考えたことは、自分がベルリンへ行って実地に臨むよりもこうした映画で鑑賞する方が十倍も百倍も面白いのではないかということであった。第一、実地ではこんなに演奏者を八方から色々の距離と角度で眺めることは不可能であるが、そればかりでなく映画のカメラは吾らの眼の案内をして複雑な管弦楽の編成(オーケストレーション)の内容を要領よく解明してくれる。曲の各部をリードしている楽器を時々に抽出してその方に吾々の注意を向けてくれる。例えばファゴットの管の上...
日蔭の街 - 松本 泰
  • ...気のせいか、何処かで管弦楽(オーケストラ)をやっているようだ。  私はフト思いついて、廊下伝いにサボイ劇場へ入った。私は服装を遠慮してわざと二階の後方の席を買った。芝居は至極あまいもので、些しも私の感興を唆(そそ)らなかった。平常の私なら、一幕が済むと、欠伸をして帰り仕度をするのであるが明日からは当分芝居も見られぬという境遇が、名残を惜しませるのか、寒い風の吹いている戸外へ出るのが大儀だったのか、私は夢心地に満堂の拍手の音を聞きながら、漫然と幕の上ったり、下りたりするのを眺めていた。  私の右手の空席を一つおいて、二人の男が頻りに話合っていたが、フト私と顔を合せると、 「今度の幕合は何分...


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