西方

 
  • ☆西方冗土 カンサイ帝国の栄光と衰退 中島らも著
  • //「関西方言の社会言語学+博多方言のアクセント形態論」

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西方の人 - 芥川 竜之介
  • 西方の人 芥川龍之介      1 この人を見よ  わたしは彼是(かれこれ)十年ばかり前に芸術的にクリスト教を――殊にカトリツク教を愛してゐた。長崎の「日本の聖母の寺」は未だに私の記憶に残つてゐる。かう云ふわたしは北原白秋氏や木下|杢太郎(もくたらう)氏の播(ま)いた種をせつせと拾つてゐた鴉(からす)に過ぎない。それから又何年か前にはクリスト教の為に殉じたクリスト教徒たちに或興味を感じてゐた。殉教者の心理はわたしにはあらゆる狂信者の心理のやうに病的な興味を与へたのである。わたしはやつとこの頃になつて四人の伝記作者のわたしたちに伝へたクリストと云ふ人を愛し出した。クリストは今日
続西方の人 - 芥川 竜之介
  • 続西方の人 芥川龍之介      1 再びこの人を見よ  クリストは「万人の鏡」である。「万人の鏡」と云ふ意味は万人のクリストに傚(なら)へと云ふのではない。たつた一人のクリストの中に万人の彼等自身を発見するからである。わたしはわたしのクリストを描き、雑誌の締め切日の迫つた為にペンを抛(なげう)たなければならなかつた。今は多少の閑(ひま)のある為にもう一度わたしのクリストを描き加へたいと思つてゐる。誰もわたしの書いたものなどに、――殊(こと)にクリストを描いたものなどに興味を感ずるものはないであらう。しかしわたしは四福音書の中にまざまざとわたしに呼びかけてゐるクリストの姿を感...
続芭蕉雑記 - 芥川 竜之介
  • ...は少くとも「光は常に西方から来てゐた。」芭蕉も亦やはりこの例に洩れない。芭蕉の俳諧は当代の人々には如何に所謂モダアンだつたであらう。 ひやひやと壁をふまへて昼寝かな 「壁をふまへて」と云ふ成語は漢語から奪つて来たものである。「踏壁眠(かべをふまへてねむる)」と云ふ成語を用ひた漢語は勿論少くないことであらう。僕は室生犀星君と一しよにこの芭蕉の近代的趣味(当代の)を一世を風靡(ふうび)した所以(ゆゑん)に数へてゐる。が、詩人芭蕉は又一面には「世渡り」にも長じてゐた。芭蕉の塁(るゐ)を摩(ま)した諸俳人、凡兆、丈艸(ぢやうさう)、惟然(ゐねん)等はいづれもこの点では芭蕉に若(し)かない。...
浪 - 石川 三四郎
  • ...に、一人の少年が河は西方へも流れる、と言ひ出して大論爭になりました。その少年は越後から移つて來たものなので私達は一齊に『この越後つぺい、生意氣なことをいひやがる。越後だつてどこだつて、水が西に流れるつて法があるかえ馬鹿野郎! 水はかみからしもへ流れるにきまつてらい!』とののしるのであつた。私の郷里では西がかみで東がしもなのであつた。多勢と一人ではさすがの越後少年も對抗し得ず、齒がみしてくやしがつてゐた。しかし、彼は何か一案を得たものの如く、俄にその砂原を兩手でかいて、渚から西方に向けて一線の溝を掘つた。そしてそこにあつた小さな水たまりに河水を導き流した。『どうだ、見ろやい、利根の水だつて西の方...
日高十勝の記憶 - 岩野 泡鳴
  • ...ろを返り見ると、遙か西方に膽振(いぶり)の樽前(たるまへ)山の噴火が見えた。眞ッ直ぐに白い烟が立つてゐるかと思へば、直ぐまたその柱が倒れ崩れて、雲と見分けが附かなくなつた。  あれほど活氣ある火力を根としながらも、空天につッ立つた烟柱は周圍の壓迫に負けて倒れるのであるが、僕はその時地腹に隱れた火力を想像して見た。  がうッと一聲、物凄い響が僕のあたまの中でしたかと思ふと、その火山の大爆發當時のありさまが瞑目のうちに浮んだ。その時、西風が吹いてゐたのであらう、日高の方面へ向つてその噴出した熔岩の灰が雲と發散して、御空も暗くなるほどに廣がつた。  その結果が今僕の目を開いて見る火山灰地である...


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