あじさい

 

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2009年12月9日 21:26:00
2010年01月7日 19:51:06
2009年12月30日 04:00:12
2009年12月30日 04:00:16
2009年12月31日 01:55:07

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雪霊記事 - 泉 鏡花
  • ...たのも、蛍と紫陽花(あじさい)が見透(みとお)しの背戸に涼んでいた、そのお米さんの振向いた瞳(め)の情(なさけ)だったのです。  水と言えば、せいぜい米の磨汁(とぎしる)でもくれそうな処を、白雪に蛋黄(きみ)の情(なさけ)。――萌黄(もえぎ)の蚊帳(かや)、紅(べに)の麻、……蚊の酷(ひど)い処ですが、お米さんの出入りには、はらはらと蛍が添って、手を映し、指環(ゆびわ)を映し、胸の乳房を透(すか)して、浴衣の染の秋草は、女郎花(おみなえし)を黄に、萩を紫に、色あるまでに、蚊帳へ影を宿しました。 「まあ、汗びっしょり。」  と汚い病苦の冷汗に……そよそよと風を恵まれた、浅葱色(あさぎいろ)...
雪霊続記 - 泉 鏡花
  • ...の薄色の袖、紫陽花(あじさい)、紫の花も……お米さんの素足さえ、きっぱりと見えました。が、脈を打って吹雪が来ると、呼吸は咽(むせ)んで、目は盲(めしい)のようになるのでありました。  最早(もはや)、最後かと思う時に、鎮守の社(やしろ)が目の前にあることに心着いたのであります。同時に峰の尖(とが)ったような真白(まっしろ)な杉の大木を見ました。  雪難之碑のある処――  天狗――魔の手など意識しましたのは、その樹のせいかも知れません。ただしこれに目標(めじるし)が出来たためか、背に根が生えたようになって、倒れている雪の丘の飛移るような思いはなくなりました。  まことは、両側にまだ家のあ...
灯明之巻 - 泉 鏡花
  • ...ク)の色が、紫陽花(あじさい)の浅葱(あさぎ)淡く、壁の暗さに、黒髪も乱れつつ、産婦の顔の萎(しお)れたように見えたのである。  谷間の卵塔に、田沢氏の墓のただ一基|苔(こけ)の払われた、それを思え。 「お爺さん、では、あの女の持ものは、お産で死んだ記念(かたみ)の納(おさめ)ものででもあるのかい。」  べそかくばかりに眉を寄せて、 「牡丹に立った白鷺になるよりも、人間は娑婆(しゃば)が恋しかんべいに、産で死んで、姑獲鳥(うぶめ)になるわ。びしょびしょ降(ぶり)の闇暗(くらやみ)に、若い女が青ざめて、腰の下さ血だらけで、あのこわれ屋の軒の上へ。……わあ、情(なさけ)ない。……お救い下さ...
二、三羽――十二、三羽 - 泉 鏡花
  • ...に目に着いた紫陽花(あじさい)も、この二、三年こっちもう少い。――荷車のあとには芽ぐんでも、自動車の轍(わだち)の下には生えまいから、いまは車前草(おんばこ)さえ直ぐには見ようたって間(ま)に合わない。  で、何処(どこ)でも、あの、珊瑚(さんご)を木乃伊(みいら)にしたような、ごんごんごまは見当らなかった。――ないものねだりで、なお欲(ほし)い、歩行(ある)くうちに汗を流した。  場所は言うまい。が、向うに森が見えて、樹の茂った坂がある。……私が覚えてからも、むかし道中の茶屋|旅籠(はたご)のような、中庭を行抜(ゆきぬ)けに、土間へ腰を掛けさせる天麩羅茶漬(てんぷらちゃづけ)の店があった...
伯爵の釵 - 泉 鏡花
  • ...と水際立つ、紫陽花(あじさい)の花の姿を撓(たわ)わに置きつつ、翡翠(ひすい)、紅玉(ルビイ)、真珠など、指環(ゆびわ)を三つ四つ嵌(は)めた白い指をツト挙げて、鬢(びん)の後毛(おくれげ)を掻いたついでに、白金(プラチナ)の高彫(たかぼり)の、翼に金剛石(ダイヤ)を鏤(ちりば)め、目には血膸玉(スルウドストン)、嘴(くちばし)と爪に緑宝玉(エメラルド)の象嵌(ぞうがん)した、白く輝く鸚鵡(おうむ)の釵(かんざし)――何某(なにがし)の伯爵が心を籠めた贈(おくり)ものとて、人は知って、(伯爵)と称(とな)うるその釵を抜いて、脚を返して、喫掛(のみか)けた火皿の脂(やに)を浚(さら)った。……伊...


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