かに座

 

かに座 ( かにざ )     かに座についてまとめて読む

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2010年01月8日 12:46:32
2010年01月8日 12:46:33
2010年01月5日 09:10:09
2010年01月5日 09:10:11
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太平洋魔城 - 海野 十三
  • ...。発動機の振動が、微かに座席にひびいてくるぐらいで、全く快い空の旅であった。  酔っぱらいのリキーは、大きな鼾(いびき)をかいて寝こんでしまった。老夫人もその隣で、じっと睡(ねむ)っているらしい。室内では、乗客たちがだいぶん落ちついて、あっちでもこっちでも、しずかな談話をはじめたり、チョコレートの函をひらいたりしている。しかし艇員が出入に防音扉をあけるごとに、轟々たる発動機の音が、あらゆる話声をふきとばしてしまう。だが、なんという穏やかな空の旅であろう。  それから一時間たった。  艇は、針路を南東にとって、一路マニラにむけて飛行中であった。すでに陸地はとおくに消えてしまって、真青な大海...
職工と微笑 - 松永 延造
  • ...の焔の糧にする程、静かに座っているのが持ち前の人間である。斯んな男に附き纏う貧困こそは悪性のものに相違ない。賭博者、ピストル丈を商売道具にする男、単純な無頼漢、彼等に絡(まつ)わる貧困の方が、まだまだ私の類よりは光明を持っている様である。  宜敷い。私は独りで居よう。昔式の巡羅兵が持つ蝋燭の灯の廻りを黒いガラスが護る様に、兎も角も、私の四壁は他人から隔てられている。私は此処で昔の朝鮮人でもした様な骨董的な空想を現実と妄想との中間的濃度を持つものとして味わう。  例えば、此の室の床が斜めに傾いているとすれば、それは悪い建築法の為めではなく、此処の地盤が、雪の為めに清透となったアペニン山脈中の...
姨捨山 - 楠山 正雄
  • ...(ぴき)は静(しず)かに座(すわ)ったままながめていました。それで親子(おやこ)が分(わ)かったので、殿様(とのさま)はそれぞれに札(ふだ)をつけさせて、 「さあ、これで間違(まちが)いはないでしょう。」  といって、使(つか)いにつきつけますと、使(つか)いは、 「どうも驚(おどろ)きました。そのとおりです。」  といって、へいこうして逃(に)げていきました。  殿様(とのさま)はこれでまったく、お百姓(ひゃくしょう)の智恵(ちえ)に心(こころ)から驚(おどろ)いてしまいました。 「お前(まえ)は国中(くにじゅう)一ばんの智恵者(ちえしゃ)だ。さあ、何(なん)でも望(のぞ)みのも...
半七捕物帳 53 新カチカチ山 - 岡本 綺堂
  • ...である。二人は船のなかに座を占めて、男は脇差で先ず女を刺し殺し、自分も咽喉(のど)を掻き切って死んでいた。  そのうちに、又こんな噂をする者もあらわれた。 「男は近所の浅井さまの御子息らしい。女は三河屋のお信だ」  前にも云う通り、二つの死骸は早くも取り片付けられてしまったので、それらの事も結局は噂ばかりに留まったが、その噂の嘘でないことを半七は知っていた。 「おい、幸。飛んでもねえ事になってしまったな」 「まったく驚きました。お信を早く探し出せば、こんな事にゃあならなかったのですが……」と、幸次郎も残念そうに云った。 「それに浅井の屋敷もよくねえ。今じゃあ家督を相続している小太郎...
赤格子九郎右衛門の娘 - 国枝 史郎
  • ...となった。銀燭が華やかに座敷に点(とも)り肴が新しく並べられ一座はますます興に入り夜の更けるのを知らないようである。  今の時間にして十時過ぎになるとさすがに人々は騒ぎ疲労たらしく次第に座敷は静かになった。 「私少しく遠方でござれば失礼ながらこれで中座を」  こう云って利右衛門は腰を浮かせた。 「もう帰ると? まだよかろう。夜道には日の暮れる心配はない。……もっとも家は遠かったな」 「はい玉造でございますので」 「お前が帰ると云ったなら他の連中も遠慮して一時にバタバタ立ち上ろうもしれぬ。……それでは私(わし)が寂しいではないか」と卜翁は子供のように云うのであった。  それでもとう...


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