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2009年11月15日 20:14:59
2010年01月11日 01:50:57
2010年01月12日 15:16:29
2009年12月2日 20:26:13
2010年01月11日 01:36:02

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第二菎蒻本 - 泉 鏡花
  • ...炬燵の膚(はだ)のぬくもりに、とけた雪は、斉(ひと)しく女の瞳に宿った。その時のお染の目は、大(おおき)く※(みは)られて美しかった。 「女中(ねえ)さんは。」 「女中か、私はね、雪でひとりでに涙が出ると、茫(ぼ)っと何だか赤いじゃないか。引擦(ひっこす)ってみるとお前、つい先へ提灯(ちょうちん)が一つ行くんだ。やっと、はじめて雪の上に、こぼこぼ下駄のあとの印(つ)いたのが見えたっけ。風は出たし……歩行(ある)き悩んだろう。先へ出た女中がまだそこを、うしろの人足(ひとあし)も聞きつけないで、ふらふらして歩行(ある)いているんだ。追着(おッつ)いてね、使(つかい)がこの使だ、手を曳(ひ)くよ...
予が見神の実験 - 綱島 梁川
  • ...く、わが心一念の翳(くもり)を著(つ)けず、冴(さ)えに冴えたり。爾時(そのとき)、優に朧(おぼ)ろなる、謂はば、帰依の酔ひ心地ともいふべき歓喜(よろこび)ひそかに心の奥に溢(あふ)れ出でて、やがて徐(おもむ)ろに全意識を領したり。この玲瓏(れいろう)として充実せる一種の意識、この現世(うつしよ)の歓喜と倫を絶したる静かに淋(さび)しく而かも孤独ならざる無類の歓喜は凡そ十五分時がほども打続きたりと思(お)ぼしきころ、ほのかに消えたり。(本書〔『病間録』〕一七九頁「宗教上の光耀」と題する一篇のうちに、感情的光耀につきて記したる一節は、この折の経験に基づきて物したるなり。予は従来とても多少これに類...
文語詩稿 一百篇 - 宮沢 賢治
  • ...やまつつじ、  日影くもりて丘ぬるみ、  ねむたきひるはかくてやすけき。   〔ひかりものすとうなゐごが〕 ひかりものすとうなゐごが、  ひそにすがりてゆびさせる、 そは高甲の水車場の、     こなにまぶれしそのあるじ、 にはかに咳し身を折りて、   水こぼこぼとながれたる、 よるの胡桃の樹をはなれ、   肩つゝましくすぼめつゝ、 古りたる沼をさながらの、   西の微光にあゆみ去るなり。   国土 青き草山雑木山、      はた松森と岩の鐘、 ありともわかぬ襞ごとに、  白雲よどみかゞやきぬ。 一石一字をろがみて、    その...
地球要塞 - 海野 十三
  • ...力の発見発明から、かくもりっぱに、生れ出でたのである。その新動力というのは、ちょっと他言(たごん)を憚(はばか)るが、要するに、物質を壊して、物質の中に貯わえられている非常に大きなエネルギーを取り出し、これを利用するのである。わが機関部にあるサイクロ・エンジンというのが、それである。  私は、遂に、余計なお喋りまでしてしまったようである。私は、潜水艦クロクロ島の偉力(いりょく)を、真に天下無敵と信ずる者である。そして、敵艦は遂に、わが艦(ふね)を発見することが出来ないのである。  ――と、今の今まで思っていたが、どうしたわけか、私は、とつぜん、非常な眩暈(めまい)に襲われた。目の前がまっ暗...
鰊漁場 - 島木 健作
  • ...空は連日乳白色にかきくもり、海の水は雄鰊の排出する白子のために米磨ぎ汁を流しこんだように青白色に濁ってくる。  周旋屋の手を経て募集された漁夫たちが、津軽及道内の各地から全部あつまった夜、大丸の旦那の家の大広間では安着祝があった。  正面の神棚には燈明が赤々とともっている。漁夫たちは真新しい青畳に気をかねながら、もり上った股をきちんと揃え、節くれ立った両手をその上において窮屈そうに坐った。仕事着のままのもあり、わざわざその日のために持って来たらしい小ざっぱりとした着物を着こんだのもいた。船頭、下船頭が上座にすわり、漁夫がそれにつづき、陸廻(ボエマワ)し、炊事夫(ナベ)が一番下座だった。漁夫...

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