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2010年02月6日 14:04:00
2010年01月5日 02:20:00
2010年01月21日 22:44:15
2010年02月5日 01:26:07
2009年10月19日 21:40:59

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灯明之巻 - 泉 鏡花
  • ...待った、待った。そ、そんなのじゃ決してない。第一、お客に、むらさきだの、鍋下(なべした)だのと、符帳でものを食うような、そんなのも決して無い。  梅水は、以前築地一流の本懐石、江戸前の料理人が庖丁を※(さ)びさせない腕を研(みが)いて、吸ものの運びにも女中の裙(すそ)さばきを睨(にら)んだ割烹(かっぽう)。震災後も引続き、黒塀の奥深く、竹も樹も静まり返って客を受けたが、近代のある世態では、篝火船(かがりぶね)の白魚より、舶来の塩鰯(しおいわし)が幅をする。正月飾りに、魚河岸に三個(みッつ)よりなかったという二尺六寸の海老(えび)を、緋縅(ひおどし)の鎧(よろい)のごとく、黒松の樽に縅した一騎...
半七捕物帳 22 筆屋の娘 - 岡本 綺堂
  • ...とをする人間には案外そんなのがたくさんありますがね。このお丸だって、あんまり利巧な奴じゃありません」 「で、そのお丸はどうしました」と、わたしは訊いた。 「お丸は使いに行くと云って主人の家を出て、与之助のところへ逢いにゆくと、弟が丁度わたくしに引っ張られて番屋へ行ったあとで、与之助もなんだか薄気味が悪いので、店をぬけ出してうろうろしているところへ、お丸がたずねて来たという訳です。お丸もその話を聴いてさすがに不安心になって来たので、与之助をそそのかして何処へか駈け落ちすることになったのですが、こいつよくよく悪い奴で、なんでも中仙道を行く途中、熊谷の宿屋で男の胴巻をひっさらって姿を隠してしまっ...
冬の花火 - 太宰 治
  • ...のか色男というのか、そんなのがあるというのは、事実だな? (数枝)(不機嫌になり)いいじゃあないの、そんな事は。(舌打ちをする)なんにも言わなけあよかった。 (伝兵衛) お前が言わなくたって、どこからともなくおれの耳にはいって来る。 (数枝) もったいぶらなくたって、わかっているわよ。お母さんでしょう? (伝兵衛)(軽く狼狽(ろうばい)の気味)いや。 (数枝)(小声で早口に)そうよ、それにきまっているわ。お母さんはまた、どうして勘附いたのかしら。ばかなお母さん。 間。 (伝兵衛) あさから聞いた。しかし、あさは、決して、何も、……。 (数枝)(それを相手...
古狢 - 泉 鏡花
  • ...ずに出たなんぞって、そんなのは、お藻代さんの身に取って私は可厭(いや)。……それだとどこで遺書(かきおき)が出来ます。――轢(ひ)かれたのは、やっと夜(よ)の白みかかった時だっていうんですもの。もっとも(幽(かすか)なお月様の影をたよりに)そうかいてもあるんですけれども。一旦座敷へ帰ったんです。一生懸命、一大事、何かの時、魂も心も消えるといえば、姿だって、消えますわ。――三枚目の大男の目をまわしているまわりへ集まった連中の前は、霧のように、スッと通って、悠然と筧で手水をしたでしょう。」 「もの凄(すご)い。」 「でも、分らないのは、――新聞にも出ましたけれど、ちゃんと裾腰(すそごし)のたし...
私の生ひ立ち - 与謝野 晶子
  • ...と云つて居たやうな、そんなのんきなことはもう思つて居られないと思ひました。  具清の家の住居(すまゐ)と酒蔵の幾つかが焼けただけで、他家(よそ)へ火は伸びずに鎮火しました。ほい/\と門(かど)を走る人は、皆|先刻(さつき)と反対の方を向いて行くやうになりました。 「焼けた死骸に長い髪が附いて居たので娘さんと云ふことが解(わか)つた。」 「丁稚の死骸が可哀想やつた。」  道行く人は口々にこんなことを云つて行きました。具清の家は両親のない二人の娘さんが主人だつたのです。その娘さんを番頭が余りに大切にして、家の戸閉りなどを厳重にしすぎてあつたために、誰も外へは出られなかつたのださうです。鍵を...

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