たなばた

 

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2010年01月22日 00:11:11
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初恋 - 矢崎 嵯峨の舎
  • ...では,五節句、七夕(たなばた)、天皇祭でなくば茸狩(たけが)り蕨採(わらびと)り、まアこんなもので,それを除いては別段これぞという遊びもない,けれども今は四月二十日、節句でもなければ祭でもない、遊戯と言ッては蕨採りのみだ、蕨採りと言ッたところがさのみ面白い遊戯でもない,が摺鉢(すりばち)のような小天地で育ッている見聞きの狭い田舎の小児(こども)には、それが大した遊戯なので,また江戸のような繁華な都に住んでいて野山を珍らしく思う人にはやはり面白い遊戯なので,それゆえいよいよ蕨採りに往くことと極まり、そのことを知らせた時には一同|歓喜(よろこび)の声を上げた。  さてその夜は明日を楽しみにおのお...
恋衣 - 山川 登美子
  • ...を生みし時) たなばたをやりつる後(のち)の天の川しろうも見えて風する夜かな 蓮(はす)きると三寸とほき花ゆゑにみぎはの人のさそはれし舟 憂ければぞ爪(つめ)に紅(べに)せぬ夕ぐれを色は問はずて衣(きぬ)もてまゐれ 舟にのれば瓔珞(えうらく)ゆらぐ蓮(はす)のかぜ掉のひとりは袞竜(こんりよう)の袖 しら蓮や唐木(からき)くみたる庭舟(にはぶね)に沈(ぢん)たきすてて伯父の影なき われを問ふやみづからおごる名を誇る二十四|時(とき)を人をし恋ふる ここすぎて夕立はしる川むかひ柳|千株(せんしゆ)に夏の雲のぼる 水浴(みあ)みては渓の星かげ髪ほすと君...
たなばたと盆祭りと - 折口 信夫
  • たなばたと盆祭りと 折口信夫      一 この二つの接近した年中行事については、書かねばならぬ事の多すぎる感がある。又既に、先年柳田先生が「民族」の上で述べてゐられるから、私しきが今更此に対して、事新しく、附け加へるほどのことはあるまいと思ふが、顔が違へば、心も此に応じる。又変つた思案も出ようと言ふものである。 たなばたは、七月七日の夜と、一般に考へられてゐる様であるが、此は、七月六日の夜から、翌朝へかけての行事であるのが、本式であつた。此点、今井武志さんの報告にある、信州上水内の八月六日の夜を以てするのが、古形を存するものゝ様である。沖縄に保存してゐるたなばた祭りも、や
短歌本質成立の時代 万葉集以後の歌風の見わたし - 折口 信夫
  • ...十七) 狩り暮し、たなばたつめに 宿借らむ。天の川原にわれは来にけり(古今集巻九) などを見ても知れる。拘泥なく歌ひ上げてゐる。さうして其詞を押し出して、一挙に「心」を形づくるのは、機智だけでは出来ぬことである。そこに濫費せられてゐる情熱があるのだ。彼の生時は、其宴遊の歌の、在来の型を破つた新しさ、放胆らしい其調子によつて、騒がれてゐたものであらう。業平の作品の時代的評価は抒情詩以外にも、あつたことを考へに入れて置く必要がある。 何と言つても、業平の真の価値は、抒情詩を醇化した点にある。万葉集の抒情詩すら、叙事詩脈の劇的表現・民謡式の誇張発想・儀礼上の伝襲的叙述法などから出来たと言ふ...
突貫紀行 - 幸田 露伴
  • ...散歩するに、七夕祭(たなばたまつり)とやらにて人々おのおの自己(おの)が故郷の風(ふう)に従い、さまざまの形なしたる大行燈(おおあんどう)小行燈に火を点じ歌い囃(はや)して巷閭(こうりょ)を引廻(ひきま)わせり。町幅一杯(まちはばいっぱい)ともいうべき竜宮城(りゅうぐうじょう)に擬(ぎ)したる大燈籠(おおどうろう)の中に幾(いく)十の火を点ぜるものなど、火光美しく透(す)きて殊(こと)に目ざましく鮮(あざ)やかなりし。  二十六日、枝幸丸(えさしまる)というに乗りて薄暮(はくぼ)岩内港(いわないみなと)に着きぬ。この港はかつて騎馬(きば)にて一遊せし地なれば、我が思う人はありやなしや、我が面...


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