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2010年01月19日 11:01:15
2010年01月19日 16:21:17
2009年05月21日 15:44:59
2009年05月21日 15:15:41
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日本の河童 火野葦平のことなど - 宮本 百合子
  • ...あるだろうというようなつきつめてみれば主観的な表現があったりするのでもあると思う。  私たちの足跡は、ほかならぬ私たちの足の下からしか現れないという意味で、一人一人の作家の必然の道がよきにつけあしきにつけ、その作家の文学の現実を決定してゆくし、日本の今日の文学の性格の一要因としてかかわりあってゆくわけである。  一人一人の作家がそれぞれにちがうという必然は、だが他面に何か通有な一つ二つの文学としての希望、願望、更につよくは意欲という風なものを持ってはいないだろうか。  どんな時代にも、作家は現実にたえるものとして自分の作品を生もうとして来たと思う。歴史の現実は、その荒っぽい摩擦を経て、現...
取舵 - 泉 鏡花
  • ...いと見えて、船着(ふなつき)まで手を牽(ひか)れて来る始末だ。無途方(むてっぽう)も極(きわま)れりというべしじゃないか。これで波の上を漕(こ)ぐ気だ。皆(みんな)呆(あき)れたね。険難千方(けんのんせんばん)な話さ。けれども潟(かた)の事だから川よりは平穏だから、万一(まさか)の事もあるまい、と好事(ものずき)な連中(れんじゅう)は乗ッていたが、遁(に)げた者も四五人は有(あ)ッたよ。僕も好奇心(こうきしん)でね、話の種(たね)だと思ッたから、そのまま乗って出るとまた驚いた。  実に見せたかッたね、その疲曳(よぼよぼ)の盲者(めくら)がいざと言(い)ッて櫓柄(ろづか)を取ると、※然(しゃっ...
舞姫 - 与謝野 晶子
  • ...こゑ 六月(みなつき)のおなじ夕に簾(すだれ)しぬ娘かしづく絹屋と木屋と 大堰川(おほゐがは)山は雄松(をまつ)の紺青(こんじやう)とうすき楓(かへで)のありあけ月夜 思ひたまへ御胸(みむね)の島に糧(かて)足らずされど往(い)なれぬながされびとを 君が家(や)につづく河原のなでしこにうす月さして夕(ゆふべ)となりぬ 夏のかぜ山よりきたり三百の牧の若馬耳ふかれけり 香盤(かうばん)に白檀そへて五月雨(さみだれ)の晴間を告げぬさもらひびとは 君まさぬ端居(はしゐ)やあまり数おほき星に夜寒をおぼえけるかな 朝ぼらけ羽(は)ごろも白(じろ)の天(あめ)...
古代生活の研究 常世の国 - 折口 信夫
  • ...巌石の意)あり。名はなつきの磯と言ふ。高さ一丈許。上に松の木を生ず。磯までは、邑人朝夕に往来する如く、又木の枝も人の攀引する如くなれども、磯より西の方に、窟戸あり、高さ広さ各六尺許。窟内に穴あり。人入ることを得ず。深浅を知らず。夢に此磯の窟の辺に至る者は、必死す。故に俗人古より今に至る迄|号(ナヅ)けて黄泉(ヨミ)の阪|黄泉(ヨミ)の穴と言へり。 夢にでも行けば死ぬと言ふので、正気では、巌の西に廻らないのである。(伯耆の夜見島大根島などを夜見の国・根の国に聯想した先人の考へも、地方(ヂカタ)から近きに過ぎる様に思はれるが、島を死の国と見た処は、姑(しば)らく棄て難い。海上遥かな死の島への...
薬草取 - 泉 鏡花
  • ...昔に変らず、船着(ふなつき)の岩も、船出(ふなで)の松も、確(たしか)に覚えがありました。  しかし九歳(ここのつ)で越した折は、爺(じい)さんの船頭がいて船を扱いましたっけ。  昨日(きのう)は唯(ただ)綱を手繰(たぐ)って、一人で越したです。乗合(のりあい)も何(なんに)もない。  御存じの烈しい流(ながれ)で、棹(さお)の立つ瀬はないですから、綱は二条(ふたすじ)、染物(そめもの)をしんし張(ばり)にしたように隙間(すきま)なく手懸(てがかり)が出来ている。船は小さし、胴(どう)の間(ま)へ突立(つッた)って、釣下(つりさが)って、互違(たがいちがい)に手を掛けて、川幅三十|間(け...


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