ひまわり

 

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2010年02月2日 17:15:42
2009年10月23日 23:01:18
2009年12月24日 02:35:00
2010年01月17日 13:11:02
2010年01月18日 15:10:11

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「ひまわり」を含む小説

備忘録 - 寺田 寅彦
  • ...としは花壇の向日葵(ひまわり)が途方もなく生長して軒よりも高くなった。夜目にも明るい大きな花が涼風にうなずく。  人のいやがる蚊も自分にはあまり苦にならない。中学時代にひと夏裏の離れ屋の椅子に腰かけて読書にふけり両足を言葉どおりにすきまなく蚊に食わせてから以来蚊の毒に免疫となったせいか、涼み台で手足を少しぐらい食われてもほとんど無感覚である。蚊のいない夏は山葵(わさび)のつかない鯛(たい)の刺身(さしみ)のようなものかもしれない。  夕立の来そうな晩ひとり二階の窓に腰かけて雲の変化を見るのも楽しいものである。そういう時の雲の運動はきわめて複雑である。方向も速度も急激に変化する。稲妻でもすれ...
ヤトラカン・サミ博士の椅子 - 牧 逸馬
  • ...の根もとには向日葵(ひまわり)が日輪(にちりん)へ話しかけ、諸国から遊学に来た大学者のむれが天文の書物を背負い、不可思議な観測の器械を提げて、あとから後からと塔の内部の螺旋(らせん)階段を昇って行った。が、それは、要するに、バビロンの架空塔だった。だから、ついに大異変(キャタストロフ)は来た。はるか西境ばびろんの高山に、道路圧固機(ステイム・ロウラー)の余剰蒸気のようなもうもうたる一団の密雲が横に倒れた。塔の頂上は大地を叩扉(ノック)して、心霊の眠りを覚ました。何千年か昔のことでもあり、また、昨日、いや、毎日の出来事でもある天文と、観測と、碩学(せきがく)大家どもと、彼らの白髪(しらが)と白髯...
ピムキン、でかした! - 宮本 百合子
  • ...庭の、枯れた向日葵(ひまわり)と素焼きの壺をひっかけた柵のむこうへ現われた時、アグーシャは、不安ないやな気分になって、思わず地面につばをはいて手の甲で口のはたを拭いた。  委員たちと家の内外を歩き、話し、立ったなり何か書付を柱におしつけて、なめた鉛筆でそれにやっこらと自分の名を書いてる年上の亭主のかっこうを、アグーシャは疑わしげに遠くから眺めていた。  先妻の息子のペーチャが夕暮、隣村の学校から帰って来た。ランプがついている下で、大きい瀬戸物のスープ入れの壺のまわりへ親子がかたまり、かわりばんこに木匙をつっこんでキャベジスープをたべた。アグーシャは、ペーチャに、  ――今日、見て来たぞ。...
モスクワ印象記 - 宮本 百合子
  • ...同時にその外壁の下でひまわりの種をコップに入れて三カペイキで売っている婆さんの存在をも目に入れなければならない。聖画の古さ、婆さんが頭にかぶったきたない布(プラトーク)、婆さんの前を突切って通行する皮外套の婦人共産党員(コムムニストカ)の黒靴下の急速な運動など――互に対照する人生(ジーズニ)の断面が一目のうちにとび込んで来る。彼が若し、風景として感覚のうちにおどり込んで来るそれら人生(ジーズニ)の断片を吸収するだけの活々した生きてであるなら、同時に、そこから何か動きつつある民族的雰囲気というようなものを感得するのは、むしろ当然なことだ。  或る時、私はホテル・サボイの食堂に坐っていた。ホテル...
パンドラの匣 - 太宰 治
  • ...の間」だの「向日葵(ひまわり)の間」だの、へんに恥ずかしいくらい綺麗(きれい)な名前がそれぞれの病室に附せられてあるのだ。 「桜の間」は、十畳間くらいの、そうしてやや長方形の洋室である。木製の頑丈(がんじょう)なベッドが南枕(みなみまくら)で四つ並んでいて、僕のベッドは部屋の一ばん奥にあって、枕元の大きい硝子窓(ガラスまど)の下には、十坪くらいの「乙女ヶ池」とかいう(この名は、あまり感心しないが)いつも涼しく澄んでいる池があって、鮒(ふな)や金魚が泳いでいるのもはっきり見えて、まあ、僕のベッドの位置に就いては不服は無い。一番いい位置かも知れない。ベッドは木製でひどく大きく、ちゃちなスプリング...


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