もうしま

 

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2009年12月23日 18:21:07
2009年10月31日 20:15:06
2009年11月12日 17:49:59
2009年10月23日 04:10:40
2009年10月25日 16:10:03

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早春箋 - 辻村 もと子
  • ...をみておいで、と夫はもうしました。私は、いはれたやうにいつしようけんめいあのひとの節の太い手をみつめてをりました。さういたしますと、なんだか、このがんじような手が、私の一生をぎゆつとつかまへてしまつてゐるのだと妙な気持がいたし、たのもしいよりも怖くなつてきてこまりました。お母さまのお手からこのひとに移され、このひとがこれから先の生涯をともにいたすひとなのだとそのときはじめて身にしみて考へられたのでございました。  本船は大きく、それに上等の船室をとりましたので、ちようど応接間にでもをりますやうにお花など飾つてあり船のなかとはおもはれぬやうでございました。でも、小さな円い窓から、内地の陸の影が...
非情の愛 - 豊島 与志雄
  • ...を起すと、障子や襖はもうしまっていて、誰もいない。そんなことがしばしば起って、遂には、じっと覗きこんでくるその顔が、蚊帳のところまでやって来た。蚊帳がこちらへふくらむほど、その怪しい顔がのりだしてくる。もう身を起すことも出来なくて、蒲団をかぶり、息をひそめていると、いつしか顔は消えてしまう。その顔立ははっきり分らないが、確かに誰か人の顔なのである。彼女は夜灯をつけず真暗な中に寝る習慣だったが、真暗な中にありありと、その人の顔だけは分り、それが消えてしまったあとの暗闇は、いっそう恐ろしかった。後にはそれが毎夜のようになって、おちおち眠られず、次第に心気が衰えてきた。  主人の西浦辰吉夫妻も、美...
空家の冒険 - ドイル アーサー・コナン
  • ...(すべ)ったりして、もうしまったと思ったことも、一度や二度ではなかったよ。しかし僕はとにかく、上へ上へと這い上った。そして遂に、五六尺も深いかと思われる柔かな苔に蔽われた大きな窪地に到達した。そして僕はそこに、まったくどちらからも隠蔽して、全くいい気持で横になった。ここで僕が身体を伸び伸びと伸ばしていた頃は、ワトソン君、君達の一行が、まことにお気の毒な、全く徒労な方法で、僕の死の情況を探査していたのだったのさ。  それから遂に、君たち一行は、それは止むを得ないことであるが、全く誤った断定を下して、ホテルに引き上げてしまったので、僕は全く一人ぽっちにのこされてしまった。これで僕の大冒険もいよい...
顎十郎捕物帳 04 鎌いたち - 久生 十蘭
  • ...鱚(あおぎす)釣りともうしますのは、寛文のころ、五大力仁平(ごだいりきにへい)という人が釣ったのがはじめだとされているんでございまして、春の鮒の乗ッ込釣り、秋の鰡(ぼら)のしび釣り、冬の※(たなご)釣りと加えて、四大釣りといわれるほどでございまして、いかにも江戸前な釣りなんでございます。……尺を越えますと寒風ともうし、八寸以上のを鼻曲り、七八寸を三歳鱚。五六寸を二歳鱚。当歳鱚は腹が白うございまして、二歳は薄黄色、三歳以上は黄色に赤味がまじり、背通りは黒うございます。海鱚は白鱚ともうし、青鱚は川の鱚なんでございます。釣鈎、釣竿、釣糸、錘(おもり)、えばにいたりますまで、いちいちこまかい習いがある...
顎十郎捕物帳 05 ねずみ - 久生 十蘭
  • ...そのほうはどうしてももうしません」 「では、段取りのほうはどうだ。そのころ忠助が台所でうろうろしていたというような事実でもあったのか」 「いえ、そういうこともございません。女中や飯たきのほか、店のものなどは、ひとりも台所へ来なかったというんでございます」  顎十郎は、ニヤリと笑って、 「叔父上、いつまでもこんな掛合いをしていてもキリがねえし、ほかの事件ならいざ知らず、出鱈目(でたらめ)を言ってすっ恍けているには、すこし間違いが大きすぎるから、よけいなおせっかいのようですが、手前が、ここでこの事件のアヤを解(と)いてお目にかけます。……叔父上、あなたはご存じなかろうが、南の藤波が躍気とな...


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