もんじゃない

 

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2009年12月14日 22:00:25
2009年11月19日 02:40:01
2009年12月11日 16:55:01
2009年05月25日 17:00:56
2009年10月30日 11:55:00

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シベリヤに近く - 里村 欣三
  • ...うとも、どうにもなるもんじゃないのだ。」  隊長は埃と汗まびれの顔をやけに拭った。そして再び濛々と捲き起されて来る土煙に、刃疵のある顔をしかめながら土煙から抜け出るために、馬を先頭に馳せ抜けた。  と、またしても高村の険しい声が聞えた。隊長は反射的に、馬をとめて振り返った。隊列は土煙に丸められて、はっきり見分けられなかったが、馬も車も動いていなかった。  彼はまた再び、新らしい憤激に燃えあがって来る自分に我慢が出来なかった。…………  乗馬は拍車にいきり立つと、土煙を力一杯にすくいあげて、斜な陽に鹿毛の毛並を躍らせた。 「どうしたんだ。高村!」  隊長は遠くから怒鳴り立てて、跳び込...
ビジテリアン大祭 - 宮沢 賢治
  • ...人類の一万分一もあるもんじゃない。やっぱりあたり前の人間には肉類は食料として滋養(じよう)も多く美味である。ビジテリアン諸氏が折角(せっかく)菜食を実行し又宣伝するのを見た処(ところ)で感服はしても容易に真似(まね)はしない。則ち肉類の需要が減ずるものでもなし又私たちの組合がこわれたり会社が破産したりするものではない。だから一向反対宣伝も要(い)らなければこの軽業(かるわざ)テントの中に入って異教席というこの光栄ある場所に私が数時間|窮屈(きゅうくつ)をする必要もない。然しながら実は私は六月からこちらへ避暑(ひしょ)に来て居(お)りました。そしてこの大祭にぶっつかったのですから職業|柄(がら)...
田舎教師 - 田山 花袋
  • ... 「弱いことを言うもんじゃないよ」 「君のようだといいけれど……」 「僕がどうしたッていうんだ?」 「僕は君などと違ってラヴなどのできる柄(がら)じゃないからな」  清三は郁治をいろいろに慰(なぐさ)めた。清三は友を憫(あわれ)みまた己(おのれ)を憫んだ。  いろいろな顔と事件とが眼にうつっては消えうつっては消えた。路には榛(はん)のまばらな並木やら、庚申塚(こうしんづか)やら、畠(はた)やら、百姓家やらが車の進むままに送り迎えた。馬車が一台、あとから来て、砂煙(すなけむり)を立てて追(お)い越(こ)して行った。  郁治の父親は郡視学であった。郁治の妹が二人、雪子は十七、しげ子は...
第二菎蒻本 - 泉 鏡花
  • ...ね、……そんなに怨むもんじゃない。」  襦袢一重の女の背(せな)へ、自分が脱いだ絣(かすり)の綿入羽織を着せて、その肩に手を置きながら、俊吉は向い合いもせず、置炬燵(おきごたつ)の同じ隅に凭(もた)れていた。  内へ帰ると、一つ躓(つまず)きながら、框(かまち)へ上って、奥に仏壇のある、襖(ふすま)を開けて、そこに行火(あんか)をして、もう、すやすやと寐(ね)た、撫(なで)つけの可愛らしい白髪(しらが)と、裾(すそ)に解きもののある、女中の夜延(よなべ)とを見て、密(そっ)とまた閉めて、ずかずかと階子(はしご)を上(あが)ると、障子が閉って、張合の無さは、燈(あかり)にその人の影が見えない...
フランドン農学校の豚 - 宮沢 賢治
  • ...(ため)も何もあったもんじゃない。  豚は仕方なく又畜舎に戻(もど)りごろっと藁(わら)に横になる。キャベジの青いいい所を助手はわずか持って来た。豚は喰(た)べたくなかったが助手が向うに直立して何とも云えない恐い眼で上からじっと待っている、ほんとうにもう仕方なく、少しそれを噛(か)じるふりをしたら助手はやっと安心して一つ「ふん。」と笑ってからチッペラリーの口笛を又吹きながら出て行った。いつか窓がすっかり明け放してあったので豚は寒くて耐(たま)らなかった。  こんな工合(ぐあい)にヨークシャイヤは一日思いに沈(しず)みながら三日を夢(ゆめ)のように送る。  四日目に又畜産の、教師が助手とや...


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