りぼん

 

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2009年12月7日 21:09:32
2010年01月15日 16:31:07
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2010年01月15日 16:31:09

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化物丁場 - 宮沢 賢治
  • ...はまっくろで、山ばかりぼんやり白かったんです。場処へ着いて見ますと、もうすっかり崩れてゐるらしいんです。そのアセチレンの青の光の中をみんなの見てゐる前でまだ石がコロコロ崩れてころがって行くんです。気味の悪いったら。」その人は一寸(ちょっと)話を切りました。私もその盛られた砂利をみんなが来てもまだいたづらに押してゐるすきとほった手のやうなものを考へて、何だか気味が悪く思ひました。それでもやっと尋ねました。 「それから又工事をやったんですか。」 「やったんです。すぐその場からです。技師がまるで眼を真赤にして、別段な訳もないのに怒鳴ったり、叱(しか)ったりして歩いたんです。滑った砂利を積み直した...
サフラン - 森 鴎外
  • ...る浄瑠璃本(じょうるりぼん)やら、謡曲の筋書をした絵本やら、そんなものを有るに任せて見ていて、凧(たこ)と云うものを揚げない、独楽(こま)と云うものを廻さない。隣家の子供との間に何等の心的接触も成り立たない。そこでいよいよ本に読み耽(ふけ)って、器に塵(ちり)の附くように、いろいろの物の名が記憶に残る。そんな風で名を知って物を知らぬ片羽(かたわ)になった。大抵の物の名がそうである。植物の名もそうである。  父は所謂(いわゆる)蘭医(らんい)である。オランダ語を教えて遣(や)ろうと云われるので、早くから少しずつ習った。文典と云うものを読む。それに前後編があって、前編は語を説明し、後編は文を説明...
ひかりの素足 - 宮沢 賢治
  • ...なって一郎はたゞひとりぼんやりくらい藪(やぶ)のやうなところをあるいて居りました。  そこは黄色にぼやけて夜だか昼だか夕方かもわからずよもぎのやうなものがいっぱいに生えあちこちには黒いやぶらしいものがまるでいきもののやうにいきをしてゐるやうに思はれました。  一郎は自分のからだを見ました。そんなことが前からあったのか、いつかからだには鼠(ねずみ)いろのきれが一枚まきついてあるばかりおどろいて足を見ますと足ははだしになってゐて今までもよほど歩いて来たらしく深い傷がついて血がだらだら流れて居りました。それに胸や腹がひどく疲れて今にもからだが二つに折れさうに思はれました。一郎はにはかにこはくなっ...
文放古 - 芥川 竜之介
  • ...り、家(うち)にばかりぼんやり暮らしているの。まああなたの言葉を借りればアンニュイそれ自身のような生活だわね。 「それだけならばまだ好(い)いでしょう。そこへまた時々|親戚(しんせき)などから結婚問題を持って来るのよ。やれ県会議員の長男だとか、やれ鉱山(やま)持ちの甥(おい)だとか、写真ばかりももう十枚ばかり見たわ。そうそう、その中には東京に出ている中川の息子の写真もあってよ。いつかあなたに教えて上げたでしょう。あのカフェの女給(じょきゅう)か何かと大学の中を歩いていた、――あいつも秀才で通(とお)っているのよ。好(い)い加減(かげん)人を莫迦(ばか)にしているじゃないの? だからあたしはそ...
同胞 - 豊島 与志雄
  • ...お祖母さん。夢にみたりぼんやり考えたりしてたことが、本当だったんだな。ねお祖母さん、それは僕の兄さんですか、弟ですか、妹ですか……そして何処にいるんです。」  祖母は急に気が挫けたようになって、その話を避けたがった。然し恒夫は承知しなかった。嵩にかかって祖母へ尋ねかけながら、もしその話をはっきり聞かしてくれなければ、自分を愛してはいないんだ、というようなことまで云った。すると祖母は、誰にも洩らさないという約束をさした上で、大体次のようなことを話してくれた。  恒夫の父と母とは、結婚して五六年後まで子供が出来なかった。所へ不意に恒夫が生れた。大変な喜びだった。祖父なんかは、殆んど一日中赤ん坊...


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