アルト

 

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2009年12月4日 15:16:15
2009年12月5日 21:36:16
2009年12月8日 17:50:00
2009年12月8日 18:00:07

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あの頃の自分の事 - 芥川 竜之介
  • ...てゐた。自分はアスフアルトの往来に立つた儘、どつちへ行かうかなと考へた。 (大正七年十二月) 底本:「現代日本文学大系43芥川龍之介集」筑摩書房    1968(昭和43)年8月25日初版第1刷発行 入力:j.utiyama 校正:小浜真由美 1998年6月22日公開 2005年11月12日修正 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
或阿呆の一生 - 芥川 竜之介
  • ...に濡れたまま、アスフアルトの上を踏んで行つた。雨は可也(かなり)烈しかつた。彼は水沫(しぶき)の満ちた中にゴム引の外套の匂を感じた。  すると目の前の架空線が一本、紫いろの火花を発してゐた。彼は妙に感動した。彼の上着のポケツトは彼等の同人雑誌へ発表する彼の原稿を隠してゐた。彼は雨の中を歩きながら、もう一度後ろの架空線を見上げた。  架空線は不相変(あひかはらず)鋭い火花を放つてゐた。彼は人生を見渡しても、何も特に欲しいものはなかつた。が、この紫色の火花だけは、――凄(すさ)まじい空中の火花だけは命と取り換へてもつかまへたかつた。      九 死体  死体は皆親指に針金のついた...
「語られる言葉」の美 - 岸田 国士
  • ...バリトン、テノオル、アルト、ソプラノなどと云つてゐるが、普通の声を、この区別で呼ぶことが近頃日本でもはやつて来た。 「声」といふ言葉は、日本でも西洋でも、抽象的な意味をもち、「意志」とか「意見」とかを表はす場合がある。「神の声」とか、「民衆の声」とかはそれである。  声は、それ自身「精神」なり「生命」なりをもつと解釈できるかどうか。少くとも、「語られる言葉」のうちで、ただ単に機械的な役割を演じてゐるのでないことはたしかである。  同じ言葉が、澄んだ声で語られる時、弾力のある声で語られる時、錆びのある声、艶つぽい声、あどけない声で語られる時、さては、濁(だ)み声、破鐘のやうな声、かすれ...
災厄の日 - 原 民喜
  • ...僕は食堂を出てアスフアルトの道路の方へ歩いて行く。軒の密集した小路から、そこへ出ると、暑い陽光が一杯あふれ、風はしきりに吹いて来る。この道路は駅のガードの方へ通じる路で、時間も空間もすべて一つの方向から他の方向へ流されてゐるやうだ。僕はたしかに、はつきりとそれを感じる。だが、僕の現実の視覚のすぐ裏側には、今この道路が忽ちバラバラに粉砕されてしまふ。破片だ、――結局ここも何か惨劇の跡の破片なのだ。……だが、僕の踏んでゐる惨劇の破片の道路と道路の上の空は今、ピンと胸を張つて駅のガードの方へ一つの意欲の如くつづいてゐるではないか。結局、僕の方がここへ迷ひ込んで来た破片なのだ。……だが、もう一度、僕は...
ジャン・クリストフ 05 第三巻 青年 - ロラン ロマン
  • ...、もしワグナーやリヒアルト・シュトラウスが彼より一世紀も前に死んでいたら、彼らの価値を認めたことであろう。彼の憂鬱(ゆううつ)な性質は、現在自分の生存中に生きてる偉人があるということを、受けいれ得なかった。そう考えることは不愉快だった。彼は自分の失敗の生涯のために非常に気むずかしくなっていたので、生涯はだれにとっても失敗なものであるし、失敗であらざるを得ないものであって、その反対を信ずる者は、もしくは反対だと主張する者は、馬鹿か道化か、二つのうちの一つだということを、執拗(しつよう)に思い込んでいた。  それで彼は、名高い新人らのことを、苦々(にがにが)しい皮肉な調子でしか話さなかった。そし...


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