タイル

 

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2010年02月6日 00:36:08
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2009年11月14日 12:00:47

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映画芸術と映画 アブストラクションの作用へ - 戸坂 潤
  • ...しては文芸に於けるスタイルなどは無意味になるし、絵画などは成立しない。ただその抽象=アブストラクションの相違が、科学と芸術の区別、芸術の内に於ける諸ジャンルの区別を与える。従って吾々は諸芸術の区別を検討する一つの尺度として、このアブストラクションを検討してかかることが必要なわけだ。  併し単に諸文化様式(認識様式)の区別にとって必要なばかりではない、それというのも、認識機能・認識手段・の内にアブストラクションの作用の地盤があるからのことだ。認識機能乃至認識手段としての映画(文化様式の一つとしての所謂「映画」では必ずしもない)にとっては、又特有なアブストラクションがなくてはならぬ。恐らく之が、...
永遠のみどり - 原 民喜
  • ...の日の夕方、その家のタイル張りの湯にひたると、その風呂にはじめて妻に案内されて入つた時のことがすぐ甦つた。あれから、どれだけの時間が流れたのだらう、と、いつも思ふことが繰返された。  翌日の夕方、彼は広島駅で下車すると、まつすぐに幟町の方へ歩いて行つた。道路に面したガラス窓から何気なく内側を覗くと、ぼんやりと兄の顔が見え、兄は手真似で向へ廻れと合図した。ふと彼はそこは新しく建つた工場で家の玄関の入口はその横手にあるのに気づいた。 「よお、だいぶ景気がよささうですね」  甥がニコニコしながら声をかけた。その甥の背後にくつつくやうにして、はじめて見る、快活さうな細君がゐた。彼は明日こちら...
「語られる言葉」の美 - 岸田 国士
  • ...た言葉」即ち文章のスタイルに相当するものである。多くの場合、これが「話の調子」を決定する要素である。そして、その「話の調子」こそ、人物の「声ある姿」なのである。「文は人なり」といふ格言が半分の真理を含んでゐるとすれば、「話しをして見ると、どんな人間かわかる」といふ常識的観念は、正に九分以上の真理を語つてゐる。  ある人物によつて「語られる言葉」が、当面の事実と心理以外、その人物の年齢、性、性格、教養、職業、環境、境遇、国、時代などを反映してゐることは、誰でも気がつくことであつて、今更説明の必要もないが、「語られる言葉」の魅力は、私の観察によると、かういふいろいろの条件が、その人物の「語る言葉...
観念性と抒情性 伊藤整氏『街と村』について - 宮本 百合子
  • ...この作者のポーズ、スタイルというようなものと、今日大陸文学懇談会とかいうところの一つの椅子に財務員という役目でかけている作者伊藤整氏の姿とを思いあわせると、そこになかなか面白い一箇の人間の現実がある。今日の文学には、ただ題材のめずらしさより一歩ふみ入って人間の心にふれようとする意味で心理が描かれなければならず、諷刺の精神も活をいれられて結構の時節である。しかしながら、そういう意味での心理描写や、諷刺を幽鬼の街と村との内の世界に求めることは徒労である。むしろ、こういう作品との関係でその作家の生きつつある現実の生きようを見きわめようとするところに、血と肉のある現代人の知性が発揮されるのであろうと思...
永遠のみどり - 原 民喜
  • ...の日の夕方、その家のタイル張りの湯にひたると、その風呂にはじめて妻に案内されて入った時のことがすぐ甦(よみがえ)った。あれから、どれだけの時間が流れたのだろう、と、いつも思うことが繰返された。  翌日の夕方、彼は広島駅で下車すると、まっすぐに幟町(のぼりちょう)の方へ歩いて行った。道路に面したガラス窓から何気なく内側を覗(のぞ)くと、ぼんやりと兄の顔が見え、兄は手真似(てまね)で向うへ廻れと合図した。ふと彼はそこは新しく建った工場で、家の玄関の入口はその横手にあるのに気づいた。 「よお、だいぶ景気がよさそうですね」  甥がニコニコしながら声をかけた。その甥の背後にくっつくようにして、...


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