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2009年12月28日 21:16:01
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2009年11月18日 15:05:34
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五色温泉スキー日記 - 板倉 勝宣
  • ...って引っかえした。「ツールュック」ときた。戻りながら木のむやみとはえた谷を見て「ここを下ります。去年も通ったことがあります」とウ氏が気の毒そうにいった。「身体を小さくしてゆっくりいらっしゃい」といいながら雑木の中をくぐって行った。これはことだと思ったがやむを得ぬ。スキーがやっと並ぶようなしかも急な木の間を突進するのだ。運は勿論天にまかした。寝るように身体を低くして、枝の間をあっという間にぬける。ことごとく、無茶苦茶である。立ち止まると寒くていけない。雪が降っている上に風が吹いて日が傾いたからいよいよ寒い。杖を木にとられて身体だけ滑ったり木の枝につっかかったり様々な曲芸を演じる。ドイツの先生が時...
赤い貨車 - 宮本 百合子
  • ...ストラノドノイ・ハルツールイ……これはなんのことだろう。別のところには細かい字がうんと書いてあってカリーニンとかルジュタクとか人の名がある。  再び両手を膝にはさみ、体をゆすり、ナースチャはシューラを恋しく思い出すのであった。寂しい……。明るい……明るい……そして一人ぼっちの台所は寂しい。夜はいつしか進んでナースチャはねむたくなる。大きなあくびをして立ち上り、彼女はギーと板を下し、その上にのって高い棚から掛物をひきずりおろした。  便所で誰かが灯をつける度に、高窓のガラスを越してナースチャの寝顔に光がさした。ナースチャは口をあけ、うなりながら眠った。         八  細い...
アンドレアス・タアマイエルが遺書 - シュニッツレル アルツール
  • アンドレアス・タアマイエルが遺書 ANDREAS THAMEYERS LETZTER BRIEF アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳  小生は如何にしても今日(こんにち)以後生きながらへ居ること難く候。何故と申すに小生生きながらへ居る限りは、世間の人|嘲(あざけ)り笑ひ申すべく、誰一人事実の真相を認めくるる者は有之(これある)まじく候。仮令(たとひ)世間にては何と申し候とも、妻が貞操を守り居たりしことは小生の確信する所に有之、小生は死を以て之を証明する考に候。今日まで種々の書籍に就て、此困難なる、又|疑団(ぎだん)多き事件に就き取調べ候処
異国食餌抄 - 岡本 かの子
  • ...える鴨(かも)料理のツールダルジャン等一流の料理屋から、テーブルの脚(あし)が妙にガタつき縁(ふち)のかけたちぐはぐの皿に曲(まが)ったフォークで一食五フラン(約四十銭)ぐらいの安料理を食べさせる場末(ばすえ)のレストラントまで数えたてたら、巴里(パリ)のレストラントは一体(いったい)何千軒あるか判(わか)らない。  牛の脊髄(せきずい)のスープと云(い)ったような食通(しょくつう)を無上(むじょう)に喜ばせる洒落(しゃれ)た種類の料理を食べさせる一流の料理店から葱(ねぎ)のスープを食べさせる安料理屋に至るまで、巴里の料理は値段相当のうまさを持っている。たとえ、一皿二フランの肉の料理でも、十...
春寒 - 寺田 寅彦
  • ...終わりにスノルレ・スツール・ラソンという人が書きつづった記録が Heimskringla という書物になって現代に伝えられている。その一部が英訳されているのをおもしろそうだと思って買って来たまま、しばらく手を触れないで打っちゃっておいた。  ことしの春のまだ寒いころであった。毎日床の中に寝たきりで、同じような単調な日を繰り返しているうちに、ふと思い出してこの本を読んでみた。初めの半分はオラーフ・トリーグヴェスソンというノルウェーの王様の一代記で、後半はやはり同じ国の王であったが、後にセント・オラーフと呼ばれた英雄の物語である。  大概は勇ましくまた殺伐な戦闘や簒奪(さんだつ)の顛末(てんま...


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