ハンドル

 

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2009年05月21日 17:09:59
2009年12月15日 12:50:31
2010年01月15日 22:01:11
2009年12月8日 14:25:53
2010年02月4日 20:00:00

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二流の人 - 坂口 安吾
  • ...りはじめたパノラマのハンドルをまはす手加減に有頂天になつてゐた。家康といふ人はおだてゝおけば温和な人だ。俺の膝の上にのせてみせるから黙つて見てをれ、かう侍臣に言ふ秀吉だ。小田原陣でも、家康を陣屋に招いて群臣の居並ぶところでおだてあげて、大納言、貴公は海内一の弓取だから、この戦争では策戦万事御指南をたのむ、皆の者も戦略は徳川殿にきくがよい、臆面もなくわめきたてゝ好機嫌。ところが或日のことである。秀吉は列座の大名共に腹蔵なく威張りはじめてゐたのである。古に楠氏あり、当今は豊臣秀吉こゝにあり、日本一の兵法の達者とは俺のことだ。戦へば必ず勝つ。負けたためしは一度もない。古今東西天下無敵、ワッハッハ。す...
七階の住人 - 宮本 百合子
  • ...員で、隅っこにやっとハンドルを動している若者が、赧い顔をして何か断りらしいことを網戸越しに云った。廊下と昇降機の中とで友達同志が手を振り合う。殆ど止らず昇降機は上った。 「ひどい! もうこうなりゃ覚悟するわ」  金髪の娘が、大袈裟な身ぶりで、裏|階子(はしご)を一段おきに駈け登りはじめた。伸子は、朝この階子を歩いて食堂迄登った。そして、よく時間過て閉め出しをくわされ、寄宿舎の向い側の喫茶店で焼林檎をたべた。  食卓で、二日ぶりに豊子に会った。伸子は、ミス・ハウドンの心づかいで、わざわざ豊子の隣に席を貰ったのであった。 「どう? きのうはすっかりかけ違ったわね」 「ああ、私下町へ実験が...
白金之絵図 - 泉 鏡花
  • ...すてむち)で、把手(ハンドル)にしがみついて、さすがの悪垂|真俯向(まうつむ)けになって邸町へ敗走に及ぶのを、斑犬(ぶち)は波を打って颯(さっ)と追った。  老人は、手拭で引摺って袖を拭きつつ、見送って、 「……緑樹影沈んでは魚(うお)樹に上る景色あり、月海上に浮(うか)んでは兎も波を走るか、……いやいや、面白い事はない。」  で、羽織を出して着たのであった。  頸窪(ぼんのくぼ)に胡摩塩斑(ごましおまだら)で、赤|禿(は)げに額の抜けた、面(つら)に、てらてらと沢(つや)があって、でっぷりと肥った、が、小鼻の皺(しわ)のだらりと深い。引捻(ひんねじ)れた唇の、五十余りの大柄な漢(おと...
赤耀館事件の真相 - 海野 十三
  • ...て扉(ドア)の把手(ハンドル)に手をかけたとき、何事にも気が付かないような熱心さで、綾子と勝見が言い合っているのを聞いてしまったのです。 「笛吹川さんは、ほんとうに死んだの」 「本当でございます。お疑いならば日暮里の火葬場へお尋ね下さい。それから画伯の骨を埋めた今戸の瑞光寺へお聞き合わせ下さい。しかし何故、奥様はそんなことをおっしゃるのです」 「わたしには、あの人が死んだように思われないの。あの通りエネルギッシュな笛吹川さんが、そう簡単に死ぬもんですか。ことに心臓麻痺で頓死なんて、可笑(おか)しいわね」 「可笑しくても仕方がありません。画伯はもう骨になっています。それでも死んでいないと...
藤棚の陰から - 寺田 寅彦
  • ...に腰かけた人の右手にハンドルがあってそれをぐるぐる回すとチェーンギアーで車台の下のほうの仕掛けがどうにかなるようにできているらしい。たぶん座乗者が勝手に進行の方向を変えるための舵(かじ)のようなものらしい。  座席に腰かけている人はパナマ帽に羽織袴(はおりはかま)の中年紳士で、ペダルを踏んでいるのは十八九歳ぐらいの女中さんである。  この乗り物が町の四つ角(かど)に来たとき、そのうしろから松葉杖(まつばづえ)を突いた立派な風采(ふうさい)の青年がやって来て追い越そうとした。袴をはいているが見たところ左の足が無いらしい。それを呼び止めて三輪車上の紳士が何か聞いている。隻脚(せききゃく)の青年...


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