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2009年12月14日 02:15:06
2009年12月8日 20:56:14
2009年12月14日 02:15:02

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戦雲を駆る女怪 - 牧 逸馬
  • ...んなカアキ色と鉄製のヘルメットだ。やがて、進軍、塹壕(ざんごう)、白兵(はくへい)戦、手擲弾(しゅてきだん)。砲声が聞えてくる。爆撃機の唸(うな)りが空を覆(おお)う。  ベルリン・ケニゲルグラッツェル街のスパイ本部で、マタ・アリは命令を受け取っていた。ただちにパリーへ走り、全力をつくし、あらゆる手段を講じて、フランス内閣の某閣僚――それがだれであるかはあとでわかる――の信任を獲(え)よというのだ。その人物性行に関する細大の報告、もっとも自然に接近しうる方法等、すべて同時に提供された。某閣僚ばかりではない。各方面の要路にたつ人間を、できるだけ多勢彼女の魅網(みもう)に包みこまなければなら...
沈黙の水平線 - 牧 逸馬
  • ...に交通巡査が立って、ヘルメット白服の通行人が暑熱に喘いでいるのが、如何にも奇異に感じられたシドニイの街路だった。  南半球では、一月二月は真夏で、七、八が真冬――と言っても、われわれ北半球人が概念するような冬ではないが――に当る。これは南亜も同じことだ。  で、七月の末、ダアバンからケエプ・タウンに到る南亜弗利加の海上である。冬のことで、毎日緑灰色の海が大きく畝り、空は、暗い。濡れた帆布のような重い風が、時どき大粒の雨を運んで、鴎も、この遠い港と港の中間までは船を追って来ないのである。地球の真下に当る黒い海を、|放浪の貨物船(トランプ・フレイタア)クラン・マッキンタイア号は、退屈な機関の音...
神鷺之巻 - 泉 鏡花
  • ...が真白(まっしろ)なヘルメット帽、警官の白い夏服で、腹這(はらばい)になっている。「お助けだ――旦那、薬はねえか。」と自分が救われたそうに手を合せた。が、鳥旦那は――鷺が若い女になる――そんな魔法は、俺が使ったぞ、というように知らん顔して、遠めがねを、それも白布で巻いたので、熟(じっ)とどこかの樹を枝を凝視(みつ)めていて、ものも言わない。  猟夫は最期(いまわ)と覚悟をした。……  そこで、急いで我が屋へ帰って、不断、常住、無益な殺生を、するな、なせそと戒める、古女房の老|巫女(いちこ)に、しおしおと、青くなって次第を話して、……その筋へなのって出るのに、すぐに梁(はり)へ掛けたそうに褌...
断層顔 - 海野 十三
  • ...|防弾(ぼうだん)のヘルメットを、ルビー玉の首飾、そしてカナダ栗鼠(りす)の長いオーバー、足に防弾靴を長くはいている。一メートルばかりの金属光沢をもった短いステッキを、防弾手袋をはめた片手に持っている。  要するに、事件にまきこまれて戦慄(せんりつ)している若い女が訪れたのだ。特に教養があるというわけでもなく、さりとてうすっぺらな女でもなさそうだ。  老探偵は、その女客を迎えて、応接間に招じ入れた。  女は毛皮のオーバーを脱いだ。その下から真黄色なドレスがあらわれた。黄色いドレスと紅いルビーの首飾と蒼ざめた女の顔とが、ロマンのすべてを語っているように思った。探偵は、自分の脳髄の中のすべて...
環礁 ――ミクロネシヤ巡島記抄―― - 中島 敦
  • ...つて來ます」と警官はヘルメットを手に取りながら挨拶し、巡警を從へて甲板から降(お)りて行つた。  此の島には三時間しか泊らないことになつてゐる。私は上陸しないことにした。ひとへに暑さを恐れたためである。  晝食を下で濟ませてから、又甲板へ上つて來た。外海の濃藍色とは全然違つて、堡礁(リーフ)内の水は、乳に溶かした翡翠だ。船の影になつた所は、厚い硝子の切斷部のやうな色合に、特に澄み透つて見える。エンヂェル・フィッシュに似た黒い派手な竪縞(たてじま)のある魚と、さよりの樣な飴色の細(ほそ)い魚とが盛んに泳いでゐるのを見下してゐる中に、眠くなつて來た。先刻警官の睡つた寢椅子に横になると、直ぐに寢...


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