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2009年10月18日 16:31:14
2009年11月29日 21:35:55
2009年12月1日 21:25:52
2010年02月4日 00:51:18
2010年01月17日 13:46:03

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「ポケット」を含む小説

人間失格 - 太宰 治
  • ...。学生服を着て、胸のポケットから白いハンケチを覗(のぞ)かせ、籐椅子(とういす)に腰かけて足を組み、そうして、やはり、笑っている。こんどの笑顔は、皺くちゃの猿の笑いでなく、かなり巧みな微笑になってはいるが、しかし、人間の笑いと、どこやら違う。血の重さ、とでも言おうか、生命(いのち)の渋さ、とでも言おうか、そのような充実感は少しも無く、それこそ、鳥のようではなく、羽毛のように軽く、ただ白紙一枚、そうして、笑っている。つまり、一から十まで造り物の感じなのである。キザと言っても足りない。軽薄と言っても足りない。ニヤケと言っても足りない。おしゃれと言っても、もちろん足りない。しかも、よく見ていると、や...
葉 - 太宰 治
  • ...せせら笑い、ズボンのポケットへ両手をつっ込んでから答えた。 「こんな樹の名を知っている? その葉は散るまで青いのだ。葉の裏だけがじりじり枯れて虫に食われているのだが、それをこっそりかくして置いて、散るまで青いふりをする。あの樹の名さえ判ったらねえ」 「死ぬ? 死ぬのか君は?」 ほんとうに死ぬかも知れないと小早川は思った。去年の秋だったかしら、なんでも青井の家に小作争議が起ったりしていろいろのごたごたが青井の一身上に振りかかったらしいけれど、そのときも彼は薬品の自殺を企て三日も昏睡(こんすい)し続けたことさえあったのだ。またついせんだっても、僕がこんなに放蕩(ほうとう)をやめないのもつ...
薄明 - 太宰 治
  • ...笑いながら、ズボンのポケットから懐中時計を出して、 「これが残った。机の上にあったから、家を出る時にポケットにねじ込んで走ったのだ。」  それは、海軍の義弟の時計であったが、私が前から借りて私の机の上に置いていたものなのだ。 「よかったわね。」と義妹も笑い、「兄さんにしちゃ大手柄じゃないの。おかげで、うちの財産が一つ殖(ふ)えたわ。」 「そうだろう?」と私は少し得意みたいな気持になり、「時計が無いとね、何かと不便なものだからね。ほら、お時計だよ、」と言って、上の女の子の手にその懐中時計を握らせ、「耳にあててごらん、カチカチ言ってるだろう? このとおり、めくらの子のおもちゃにもなる。」 ...
大菩薩峠 39 京の夢おう坂の夢の巻 - 中里 介山
  • ...ら出てきた。ズボンのポケットには無雑作に同じビラが突ッこまされていた。  ――よオッ! 鉄削(かなけづ)りやッてきたな!  連中を見ると、製罐部の職工が何時もの奴を出した。  ――何云ってるんだ。この罐々虫!  負けていなかった。  ――鉄ばかり削っているうちに、手前えの身体ば鰹節(かつおぶし)みてえに削らねェ用心でもせ!  製罐部と仕上場の職工は、何時でもはじき合っている。片方は熟練工だし、他方は機械についてさえいればいゝ職工だった。そこから来ていた。普段はそれでもよかったが、何かあると、知らないうちに、各々は別々に固まった。――例えば、仕上場の誰かゞ「歓迎」か「観迎」か分らなか...
『春と修羅』補遺 - 宮沢 賢治
  • ...慮して  黄いろのポケットにしまってしまへ。 霧がいっそうしげくなり 私の首すぢはぬれる。 浅黄服の若い船員がたのしさうに走って来る。 「雨が降って来たな。」 「イヽス。」 「イヽスて何だ。」 「雨ふりだ、雨が降って来たよ。」 「瓦斯だよ、霧だよ、これは。」 とし子、ほんたうに私の考へてゐる通り おまへがいま自分のことを苦にしないで行けるやうな そんなしあはせがなくて 従って私たちの行かうとするみちが ほんたうのものでないならば あらんかぎり大きな勇気を出し 私の見えないちがった空間で おまへを包むさまざまな障害を 衝きやぶって来て私に知らせてくれ。 われ...


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