ポータブル

 

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2009年11月11日 08:50:23
2009年11月11日 21:46:00
2009年11月18日 19:11:02
2009年12月12日 00:46:04
2009年12月10日 20:06:11

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「ポータブル」を含む小説

花束の虫 - 大阪 圭吉
  • ...れかが、手提蓄音器(ポータブル)を奏でて娯(たのし)んだとしても、何の不思議があろうとね。そして、そしてだ。このレコードの缺片や、それから又こ奴の落ちていた時の様子からして、僕は、誰れか彼処(あすこ)で、ダンスを踊っていたんじゃあないかと言う、極めて漠然とした、だが非常に有力な暗示にぶつかったんだ。そこで翌朝、つまり今朝だね。僕はもう一度あの丘を調べに出掛けたんだ。そして其処で僕は、はからずも、あの素晴しい足跡の中に、昨日それを見た時には全く単に荒々しい争いの跡でしかなかったその足跡の、いや靴跡の中に、どうだい、よく見ると、なにかしら或るひとつの、旋律(リズム)――と言った様なものがあるじゃな...
小浅間 - 寺田 寅彦
  • ...そうしてまたおそらくポータブルのジャズでステップを踏み、その上にうまいコーヒーで午後の一時間を陽気に朗らかに楽しむではないかと思う。  しかしわが貧乏国日本の忠実な少壮学者は貧乏な大学の研究所のために電池のわずかな費用を節約しつつ、たくあんをかじり、渋茶に咽喉(のど)を潤してそうして日本学界の名誉のために、また人間の知恵のために骨折り働いているのである。  ろうそくをはい上がって行く一匹の足長蜘蛛(あしながぐも)がある。意外な人間の訪客に驚いているであろう。おそらく経験のない蝋(ろう)のなめらかな表面には八本の足でも行き悩んでいるようであった。  こんな所でも蠅(はえ)が多い。峰(みね)...
レコード蒐集 - 兼常 清佐
  • ...機で聞く人と、小さいポータブルぐらいで聞く人と同じようにコルトーのタッチというものが論じられるでしょうか。あるいはレコード一枚をとれば、どんな条件の下で聞いても決して変らないというような神秘的な音楽の要素があるものでしょうか。あるとすれば、それは一体技術的にはどんなものでしょうか。レコードで演奏家の技術の巧拙を論じる事は、レコード鑑賞家がもう一度よく考えて見てもいい事かも知れません。  私はレコードを人に聞かしてもらう時に演奏家の技術を考えたことはまだ一度もありません。私がレコードを聞くのは、曲を聞くだけです。私一人ではどうしても演奏して見ることの出来ないような曲をレコードに演奏してもらって...
後光殺人事件 - 小栗 虫太郎
  • ...が壊れた携帯蓄音機(ポータブル)があるだけで、朔郎はこの室を捜索するために、柳江の書斎に移されていた。柳江の書斎は、茶の間から廻り縁に出ず、左折して廊下を少し行った所のドン詰まりの室で、その塀向うが寺男の浪貝久八の台所になっていて、朔郎の室とは小庭を隔てて平行している。また、その廊下は、廻り縁になる角から幾つもの室の間を貫通して、本堂の僧侶出入口で行詰まっていた。つまりどの室からも直接廊下伝いに来られるのだが、昨日から今日にかけて非常に気温が低いので、障子の間は真冬のように隙がなかった。  二人の私服に挾まれて、画室(アトリエ)衣の青年が黙然と莨(たばこ)を喫らしている。――それが厨川朔郎だ...
静岡地震被害見学記 - 寺田 寅彦
  • ...据えた机の上にのせたポータブルの蓄音機から何かは知らないが童謡らしいメロディーが陽気に流れ出している。若い婦人で小学校の先生らしいのが両腕でものを抱えるような恰好をして拍子をとっている。まだ幼稚園へも行かれないような幼児が多いが、みんな一生懸命に傾聴している。勿論鼻汁を垂らしているのもある。とにかく震災地とは思われない長閑(のどか)な光景であるが、またしかし震災地でなければ見られない臨時応急の「託児所」の光景であった。  この幼い子供達のうちには我家が潰れ、また焼かれ、親兄弟に死傷のあったようなのも居るであろうが、そういう子等がずっと大きくなって後に当時を想い出すとき、この閑寂で清涼な神社の...


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