モロー

 

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2009年12月5日 02:51:11
2009年12月5日 09:31:06
2009年12月4日 14:11:15
2009年12月5日 02:51:12
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モスクワ印象記 - 宮本 百合子
  • ...白い。本物の「赤鼻のモローズ」がモスクワの街へ降りた。  午後三時半、日が沈みかけた。溶鉱炉の火玉を吹き上げたように赤い、円い、光輪のない北極的な太陽が雪で凍(い)てついた屋根屋根の上にあり、一本の煙筒から、白樺の黒煙がその赤い太陽に向ってふきつけていた。  ブルワールも樹立も真白だ。黒く多勢の人々が歩いて行く。それらの人々は小さく見えた。  五時すぎ、モスクワの月が町を照す。教会の金の円屋根(ドーム)がひかった。月の光のとどかない暗い隅で、研屋の男の廻り砥石と肉切庖丁との間から火花が散り、金ものの熱する匂いがした。  赤い太陽の沈んだのと十三夜の明るい月の出との間がまるで短く...
物売りの声 - 寺田 寅彦
  • ...、トオーナス、トオーモローコシノーナエ」という、長くゆるやかに引き延ばしたアダジオの節回しを聞いていると、眠いようなうら悲しいようなやるせのないような、しかしまた日本の初夏の自然に特有なあらゆる美しさの夢の世界を眼前に浮かばせるような気のするものであった。  これで対照されていいと思うものは冬の霜夜の辻占(つじうら)売りの声であった。明治三十五年ごろ病気になった妻を国へ帰してひとりで本郷(ほんごう)五丁目の下宿の二階に暮らしていたころ、ほとんど毎夜のように窓の下の路地を通る「花のたより、恋のつじーうら」という妙に澄み切った美しく物さびしい呼び声を聞いた。その声が寒い星空に突き抜けるような気が...
一九二九年一月――二月 - 宮本 百合子
  • ...下十何度という厳寒(モローズ)の中へ裸にして捨てて行った。  女の児は凍え始め劇しく泣き出した。  もう日暮で――冬は午後四時にとっぷり暗くなる――折から一台の空橇が雪道を村へ向ってやって来た。  森の中から子供の泣き声がする。百姓は恐怖した。チミの仕業だと思ったのだ。彼は手綱をとって馬の腹をうった。森の中から児供の泣き声は次第に近づき小さい裸の人間の形をしたものが雪路の上へ飛び出して来た。そして泣き叫びつつ橇を追っかけ始めた。百姓は夢中で橇を速める。小さい裸の人間の形をしたものも益々泣き叫んで追っかけて来る。――馬の尻をたたきつづけて百姓はやっと村へ着き、恐ろしかった自分の経験を人々に...
一九二七年八月より - 宮本 百合子
  • ...    五日 ひどいモローズ  プーシュキン・ブル※ールの樹木が皆真白になった。そこを、黒く多勢の人々が歩いて居た。人々は小さく見えた。  白い風景の中にレーニン・インスティチューションが直線的に立って居る。その空に月が出た。      イムベルのところ   フランスの色調、トミスという犬、  ジェリンスキー、構成派のクリチク   アメリカに行きたい   アメリカの New インテリゲンチャの好奇心。動、強さ、新しき文学   彼等の生活力、テクニック。 〔欄外に〕  ロシア人は 彼等の着物を着かえたばかりではない 心まで変りつつある。     ...
モルグ街の殺人事件 - ポー エドガー・アラン
  • ... 煙草商、ピエール・モローの証言。いままで四年間、レスパネエ夫人に少量の煙草および嗅煙草(かぎたばこ)を売っていた。その付近で生れ、ずっとそこに住んでいる。夫人と娘とは、その死体の見出された家に六年以上住んでいた。もとは宝石商が住んでいて、上のほうの部屋をいろいろな人々に又貸ししていた。家はレスパネエ夫人の所有であった。彼女は借家の又貸しを嫌って、自らそこへ引き移り、どの部屋も貸さないことにした。老婦人は子供っぽかった。証人は六年間に娘を五、六回ほど見たことがあった。二人はいたって隠遁(いんとん)的な生活をしていて、――金を持っているという噂だった。近所の人たちの話ではレスパネエ夫人は占いをし...


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