モーター

 

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2009年11月23日 17:51:03
2010年01月14日 20:46:07
2009年11月9日 15:26:04
2009年12月30日 01:56:11
2010年01月3日 23:43:00

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華厳滝 - 幸田 露伴
  • ...ゞち)に湖に泛んだ。モーターボートで湖を一周しようといふのである。四山環翠、一水澄碧の湖上に輕艇を駛(はし)らすれば、凉風|面(おもて)を撲(う)つて、白波ふなばたに碎くるさま、もとより爽快の好い心持である。歌が濱の佛國、英國、獨國大使別館、いづれも景勝の地を占めて湖に臨んでゐる。立木觀音で艇を出でゝ、立木をきざんだ本尊の古拙ではあるが面白い像を見、勝道上人の所持であつたといふ傳(でん)の刀子(たうす)だの錫杖(しやくぢやう)だのを見た。  勝道上人は日光の開山者で、日光を開くために前後十數年を費(つひや)し、それまでは世に知られ無い神祕境であつたのを遂に開いたのである。その事は空海の性靈集...
壊滅の序曲 - 原 民喜
  • ...女工たちの姿が見え、モーターミシンの廻転する音響もここまできこえて来る。正三は針のめどに指先を惑はしながら、「これを穿いて逃げる時」とそんな念想が閃めくのであつた。  ……それから日没の街を憮然と歩いてゐる彼の姿がよく見かけられた。街はつぎつぎに建ものが取払はれてゆくので、思ひがけぬところに広場がのぞき、粗末な土の壕が蹲つてゐた。滅多に電車も通らないだだ広い路を曲ると、川に添つた堤に出て、崩された土塀のほとりに、無花果の葉が重苦しく茂つてゐる。薄暗くなつたまま容易に夜に溶け込まない空間は、どろんとした湿気が溢れて、正三はまるで見知らぬ土地を歩いてゐるやうな気持がするのであつた。……だが、彼の...
大菩薩峠 39 京の夢おう坂の夢の巻 - 中里 介山
  • ...ある十馬力の発動機(モーター)は絶え間なく陰鬱な唸(うな)りをたてながら、眼に見えない程足場をゆすっていた。停電に備えるガソリン・エンジンがすぐ側に据えつけられている。――そこは工場の心臓だった。そこから幹線動脈のように、調帯(ベルト)が職場の天井を渡っている主動軸(メエンシャフト)の滑車にかゝっていた。そして、それがそこを基点として更にそれ/″\の機械に各々ちがった幅のベルトでつながっていた。そのまゝが人間の動脈網を思わせる。穿孔機(ボールバン)、旋盤、穿削機(ミーリング)……が鋭い音響をたてながら鉄を削り、孔(あな)をうがち、火花を閃(ひら)めかせた。  働いている職工たちは、まるで縛り...
苦しく美しき夏 - 原 民喜
  • ...湖水の桟橋に遊覧用のモーター・ボートが着く。青い軍服を着た海軍士官の一隊が――彼の眼には編笠(あみがさ)をかむって珠数繋(じゅずつな)ぎになっている囚人の姿に見えてくる。こうした憂鬱(ゆううつ)に沈みきって、悄然(しょうぜん)とむなしい旅から戻って来た。家へ戻ってからも彼は己(おの)れと己れの心に訝(いぶか)りながら佗しい旅の回想をしていた。  そうした、ある朝、彼は寝床で、隣室にいる妻がふと哀(かな)しげな咳(せき)をつづけているのを聞いた。何か絶え入るばかりの心細さが、彼を寝床から跳ね起させた。はじめて視るその血塊は美しい色をしていた。それは眼のなかで燃えるようにおもえた。妻はぐったりし...
太平洋魔城 - 海野 十三
  • ...うちまじり、埠頭からモーター・ボートにのって、飛行艇の繋留(けいりゅう)されているところへ急いだ。  モーター・ボートが走りだしてから、太刀川はあたりをみまわしたが、まるで人種展覧会のように世界各国の人が乗りこんでいる。アメリカ人イギリス人はいうに及ばず、ドイツ人やイタリヤ人もおれば、インド人、黒人もいる。また顔の黄いろい中国人もいた。日本人は、彼一人らしい。 「ああ痛! ああ痛! 足の骨が折れたかもしれねえぞ。だ、誰だ、俺の足を鉄の棒でぶんなぐったのは」  太刀川の耳もとで、破鐘(われがね)のような大声がした。それとともに、ぷーんとはげしい酒くさい息が、彼の鼻をうった。すぐ隣にいた大男...


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