ラケット

 

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2009年10月25日 00:13:47
2010年01月11日 05:31:05
2010年01月10日 21:01:15
2010年01月11日 01:51:10

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「ラケット」を含む小説

嵐 - 島崎 藤村
  • ...たくに取りかかった。ラケットを鍬(くわ)に代えてからの太郎は、学校時代よりもずっと元気づいて来て、翌年あたりにはもう七貫目ほどの桑を背負いうるような若者であった。  次郎と三郎も変わって来た。私が五十日あまりの病床から身を起こして、発病以来初めての風呂(ふろ)を浴びに、鼠坂(ねずみざか)から森元町(もりもとちょう)の湯屋まで静かに歩いた時、兄弟(きょうだい)二人(ふたり)とも心配して私のからだを洗いについて来たくらいだ。私の顔色はまだ悪かった。私は小田原(おだわら)の海岸まで保養を思い立ったこともある。その時も次郎は先に立って、弟と一緒に、小田原の停車場まで私を送りに来た。  やがて大地震...
オンチ - 夢野 久作
  • ...)ってあるあの部屋のラケット箱の下に床板の外れる処が在る。その下に在る新聞紙包みをここへ持って来い」  戸塚は茫然となって相手の顔を見た。相手の顔はニコニコしていた。 「……馬鹿……何をボンヤリしているんだ。その新聞紙包みをここに持って来いよ。分けてやるからな。テニス倉庫の鍵はこれだ。ホラ……」  戸塚は何という事なしに、慌てて頭を一つ下げた。鍵を受取ってポケットに入れようとしたが、その一|刹那(せつな)に片手でデッキの欄干(てすり)に掴まっていた中野学士が鮮やかな足払いをかけた。 「アッ」と叫ぶなり戸塚はモンドリ打って火の海へ落ちて行った。 「ボオオ――ンンン……」  それは十海...
ろまん燈籠 - 太宰 治
  • ...モンテエニュの使ったラケットと称する、へんてつもない古いラケットを五十円に値切って買って来て、得々(とくとく)としていた時など、次男は、陰でひとり、余りの痛憤に、大熱を発した。その熱のために、とうとう腎臓をわるくした。ひとを、どんなひとをも、蔑視したがる傾向が在る。ひとが何かいうと、けッという奇怪な、からす天狗(てんぐ)の笑い声に似た不愉快きわまる笑い声を発するのである。ゲエテ一点張りである。これとても、ゲエテの素朴な詩精神に敬服しているのではなく、ゲエテの高位高官に傾倒しているらしい、ふしが、無いでもない。あやしいものである。けれども、兄妹みんなで、即興の詩など競作する場合には、いつでも一ば...
冗談に殺す - 夢野 久作
  • ...打帽子と西洋手拭と、ラケットと運動靴を抱えると、石鹸(せっけん)を塗って辷(すべ)りをよくしておいた障子をソーッとあけて、裏町の屋根を見晴らした二階の廊下に出た。そこで念のために前後を見まわしたが誰も居ない。  ……シメタナ。事によったら今の芝居は、芝居じゃなかったかも知れないぞ。逃げる余裕が充分に在るのかも知れないぞ……しかしまだ往来まで出てみないとわからない……。  と考えながら裏口の階段に続く廊下を、もしやと疑いながら曲り込むと、果してそこに立っていた……張り込んでいたに違い無いAという、やはり警視庁の老刑事にバッタリと行き合ってしまった。  私はその時にハッと眼を丸くして立ち竦(...
獄中への手紙 08 一九四一年(昭和十六年) - 宮本 百合子
  • ...嬢さんをも、テニスのラケットで無雑作に叩(たた)いたり、真佐子、真佐子と年少の女並に呼び付けていた。一ぴきの雌に対する三びきの雄の候補者であることを自他の意識から完全にカムフラージュしていた。それが真佐子にとって一層、男たちを一視同仁に待遇(たいぐう)するのに都合(つごう)がよかったのかも知れない。  崖邸の若い男女がそういう滑らかで快濶(かいかつ)な交際社会を展開しているのを見るにつけ、復一は自分の性質を顧(かえり)みて、遺憾(いかん)とは重々知りつつ、どうしても逆なコースへ向ってしまうのだった。誰(だれ)があんな自我の無い手合いと一しょになるものか、自分にはあんな中途(ちゅうと)半端(は...


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