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2009年12月27日 10:16:05
2009年11月4日 21:50:31
2010年01月8日 01:01:11
2010年01月13日 08:51:10
2009年05月27日 02:30:02

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庭 - 太宰 治
  • ...して、ほどなくあの、ラジオの御放送である。  長兄はその翌る日から、庭の草むしりをはじめた。私も手伝った。 「わかい頃には、」と兄は草をむしりながら、「庭に草のぼうぼうと生(は)えているのも趣(おもむ)きがあるとも思ったものだが、としをとって来ると、一本の草でも気になっていけない。」  それでは私なども、まだこれでも、若いのであろうか。草ぼうぼうの廃園は、きらいでない。 「しかし、これくらいの庭でも、」と兄は、ひとりごとのように低く言いつづける。「いつも綺麗(きれい)にして置こうと思えば、庭師を一日もかかさず入れていなければならない。それにまた、庭木の雪がこいが、たいへんだ。」 「や...
メーデーと婦人の生活 - 宮本 百合子
  • ...  いま、こうしてラジオをきいていらっしゃる日本じゅうの家庭婦人のうちに、何十万人の未亡人、働きてを失った老いた夫婦がおられるでしょう。父を失った子供たちの数はいかばかりでしょう。七千万という日本の人口を、男女別にわけると、婦人の人々が三百万人多くなりました。この事実は、どんなに多くの男が戦争で死に、こんにち婦人の涙と汗とがしぼられているかということの証明です。  世界の男女が心から働くものの手をつなぎ平和と生活の安定を求めて、メーデーに行進するのだとすれば、それこそ私たち日本の婦人の最も深刻な希望を表わしたものではないでしょうか。ナチスにあらゆる幸福をうちくだかれたドイツ婦人、ファシズム...
メーデーに歌う - 宮本 百合子
  • ...夜の庭に向った座敷のラジオがメーデーの歌の指導をしている。 きけ、万国の労働者 とどろきわたるメーデーの ハイ、と一節ずつ区切って熱心に合唱を教えている。その歌に合わせて、本をよんだり、書きものをしたりしている三人の男たちが、折々一緒にうたっている。足袋つくろいをしながら、若い従妹も小声でそれに合わせている。  わたしは、いうにいえない思いで、胸いっぱいになりながら、そういう宵の情景の裡にいた。  日本のラジオが、五月一日のメーデーを、こうして皆の祭り日として歌の指導まではじめた。これは、ほんとうに、ほんとうに日本の歴史はじまって以来のことである。  今度の総選挙の結果は、...
モスクワ印象記 - 宮本 百合子
  • ...キ―十五カペイキで「ラジオ組立法」から「何故СССРには二つの党が存在し得ないか」という問題に関する迄の知識を普及させようかと努力して居るかが理解されるであろう。アンリ・バルビュスの新作はフランス語を知らぬ工場のタワーリシチも二十五カペイキの『小説新聞(ロマンガゼータ)』の上でただちに読める。  今まで文字を持たなかったカフカーズの山奥で、新アルファベットをつくる計画が起った。同時に、シベリアから一つの投書がモスクワへ届いた。「私の村にはまだ一つも学校が無い。昔の通り耳学問やわずかな独習で我慢しなければならない。一日も早くこの状態から救われたいものだと思う。」ロシアの地面はそんなに尨大である...
パンドラの匣 - 太宰 治
  • ...  お父さんの居間のラジオの前に坐(すわ)らされて、そうして、正午、僕は天来の御声に泣いて、涙が頬を洗い流れ、不思議な光がからだに射し込み、まるで違う世界に足を踏みいれたような、或(ある)いは何だかゆらゆら大きい船にでも乗せられたような感じで、ふと気がついてみるともう、昔の僕ではなかった。  まさか僕は、死生一如(しせいいちにょ)の悟りをひらいたなどと自惚(うぬぼ)れてはいないが、しかし、死ぬも生きるも同じ様なものじゃないか。どっちにしたって同じ様につらいんだ。無理に死をいそぐ人には気取屋が多い。僕のこれまでの苦しさも、自分のおていさいを飾ろうとする苦労にすぎなかった。古い気取りはよそうじゃ...


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