ローズ

 

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2009年10月31日 04:56:08
2009年11月14日 22:55:00
2009年11月27日 00:30:47
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2009年11月27日 00:45:38

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重兵衛さんの一家 - 寺田 寅彦
  • ...み切る光景が鮮明なクローズアップとなって想い出される。幼時の記憶には実に些末なような事柄が非常に強く印象に残っていることがある。そういうことは意識的にはつまらぬことのようでも、意識の水準以下で、どんな思いも寄らない重大な意義をもち、どんな重大な影響を生涯に及ぼしているかもしれない、しかしそれを分析して明確な解説を与えることは容易ではないのである。自分のこの大蒜(にんにく)の場合について考えてみると、あるいはこの些細な副食物が、一方では自分等の家庭と、他方では重兵衛さんで代表された一つの階級の家庭との間のあらゆる物質的また精神的な差別の象徴として印象されたものではなかったかとも思われるのである。...
『春と修羅』 - 宮沢 賢治
  • ...鮮にふとり セシルローズ型の円い肩をかゞめ 燐酸のあき袋をあつめてくる 二つはちやんと肩に着てゐる   (降つてげだごとなさ)   (なあにすぐ霽れらんす) 火をたいてゐる 赤い焔もちらちらみえる 農夫も戻るしわたくしもついて行かう これらのからまつの小さな芽をあつめ わたくしの童話をかざりたい ひとりのむすめがきれいにわらつて起きあがる みんなはあかるい雨の中ですうすうねむる   (うな いいをなごだもな) にはかにそんなに大声にどなり まつ赤になつて石臼のやうに笑ふのは このひとは案外にわかいのだ すきとほつて火が燃えてゐる 青い炭素のけむりも立つ わ...
モスクワ印象記 - 宮本 百合子
  • ...い。本物の「赤鼻のモローズ」がモスクワの街へ降りた。  午後三時半、日が沈みかけた。溶鉱炉の火玉を吹き上げたように赤い、円い、光輪のない北極的な太陽が雪で凍(い)てついた屋根屋根の上にあり、一本の煙筒から、白樺の黒煙がその赤い太陽に向ってふきつけていた。  ブルワールも樹立も真白だ。黒く多勢の人々が歩いて行く。それらの人々は小さく見えた。  五時すぎ、モスクワの月が町を照す。教会の金の円屋根(ドーム)がひかった。月の光のとどかない暗い隅で、研屋の男の廻り砥石と肉切庖丁との間から火花が散り、金ものの熱する匂いがした。  赤い太陽の沈んだのと十三夜の明るい月の出との間がまるで短く、...
モスクワの姿 あちらのクリスマス - 宮本 百合子
  • ...ない。  厳冬(マローズ)で、真白い雪だ。家々の煙出しは白樺薪の濃い煙を吐き出している。赤と白とに塗った古い大教会のあるアルバート広場へ行ったら、雪を焚火のおきでよごして、門松売りのようにクリスマスの樅の木売りが出ている。女連が買物籠を片腕にひっかけ、片っ方の手で頻りに大きい樅の枝をひっぱり出しては、値切っている。  自分たちは、ホテル暮しだ。  その上、樅の木にローソクをつけて、三鞭酒をのむというような習慣は子供のときから持ち合わせていない。  橇にのっかって、別の、そこの廊下には絨毯を敷いてあるホテルへ行った。  黒田礼二がドイツから来ている。  コスモポリタンになっている黒田...
めくら草紙 - 太宰 治
  • ...ツ。」「クライミングローズフワバー。」「君子蘭。」「ホワイトアマリリス。」「西洋錦風。」「流星蘭。」「長太郎百合。」「ヒヤシンスグランドメーメー。」「リュウモンシス。」「鹿の子百合。」「長生蘭。」「ミスアンラアス。」「電光種バラ。」「四季咲ぼたん。」「ミセスワン種チュウリップ。」「西洋しゃくやく雪の越。」「黒竜ぼたん。」――私は、いちいち、枕元の原稿用紙に書きしるす。涙が出た。涙は頬を伝い、はだかの胸にまで這い流れる。生れて、はじめての醜をさらす。扇型の花壇。そうして、ヒヤシンスグランドメーメー。ざまを見ろ。もう、とりかえしがつかないのだ。この花壇を眺める者すべて、私の胸の中の秘めに秘めたる田...


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