五反田

 

五反田 ( ごたんだ )     五反田についてまとめて読む

東京都品川区の北部、JR山手線・東急池上線・都営浅草線の五反田駅を中心とした地域一帯の名前を指して使われる。

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2009年12月3日 16:35:56
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牧野さんの死 - 坂口 安吾
  • ...のうちに、牧野さんは五反田の霞荘へ移り、小田原へ帰り、横須賀へ移り、再び霞荘へもどつた。それが去年の十一月のことだ。この期間牧野さんは昆虫採集にふけつてゐた。これも彼の設計による人生である。  横須賀では毬栗(いがぐり)頭にしてしまつた。兵隊の生活を見てゐるうちに同化されてやつたらしいが、飲み屋へ行くと中尉には間違はれるが、どうしても大尉には間違へられぬと笑つてゐた。これも彼の設計された人生であらう。  東京へ移つた報らせで私が訪れたのは去年の十一月の始めであつた。牧野さんは睡眠中で、出てきた奥さんがまたひどい神経衰弱で殴られ通しだと訴へた。何とかいふ面倒くさい名前の催眠剤を一々丁寧に...
佳日 - 太宰 治
  • ...全に失敗した。省線は五反田で降りて、それから小坂氏の書いて下さった略図をたよりに、十丁ほど歩いて、ようやく小坂氏の標札を見つけた。想像していたより三倍以上も大きい邸宅であった。かなり暑い日だった。私は汗を拭い、ちょっと威容を正して門をくぐり、猛犬はいないかと四方八方に気をくばりながら玄関の呼鈴を押した。女中さんがあらわれて、どうぞ、と言う。私は玄関にはいる。見ると、玄関の式台には紋服を着た小坂吉之助氏が、扇子(せんす)を膝(ひざ)に立てて厳然と正座していた。 「いや。ちょっと。」私はわけのわからぬ言葉を発して、携帯の風呂敷包を下駄箱(げたばこ)の上に置き、素早くほどいて紋附羽織を取出し、着て...
空襲警報 - 海野 十三
  • 空襲警報 海野十三    日本海の夕日  大きな夕日は、きょうも日本海の西の空に落ちかかった。うねりの出て来た海上は、どこもここもキラキラと金色に輝いていた。 「美しいなあ!」  旗男(はたお)少年は、得意の立泳(たちおよぎ)をつづけながら、夕日に向かって挙手の礼をささげた。こんな入日(いりひ)を見るようになってから、もう三日目、いよいよお天気が定まって本当の真夏になったのだ。 「オイ旗男君。沖を向いて、一体|誰(だれ)に敬礼しているんだい」  後から思いがけない声が旗男に呼びかけた。驚いて後をふりむくと、波の間から頑丈なイガ栗坊主の男の顔が、白い歯をむき出して笑
聟 - 宮本 百合子
  • ...え。おひるっから一寸五反田へやりましてね。――のん気な娘(こ)だから、いずれゆっくりして来るんでしょうよ」  主人の本田権十郎というのは、詮吉のきいたところでは瓦斯会社の集金か何か勤め、娘三人のうち上二人を片づけただけで、先年死んだ。五反田は、二番目の雪の嫁入先であった。二つばかりの小枝という女の児を抱いてよく遊びに来るらしかった。詮吉とも顔を合わせ、藤製菓の工場へ出ている亭主が、朝早くて夜までおそく、一緒に御飯をたべるのは月に二度がせいぜいで詰らない。そんな話を気さくにして、笑ったこともあるのであった。  鉄瓶の湯のたぎる音とボンボン時計のチクタクとを年の瀬の押しせまった冬の宵らしく聞き...
東京八景 (苦難の或人に贈る) - 太宰 治
  • ...顔をしてやって来た。五反田(ごたんだ)の、島津公分譲地の傍に三十円の家を借りて住んだ。Hは甲斐甲斐(かいがい)しく立ち働いた。私は、二十三歳、Hは、二十歳である。  五反田は、阿呆の時代である。私は完全に、無意志であった。再出発の希望は、みじんも無かった。たまに訪ねて来る友人達の、御機嫌ばかりをとって暮していた。自分の醜態の前科を、恥じるどころか、幽かに誇ってさえいた。実に、破廉恥な、低能の時期であった。学校へもやはり、ほとんど出なかった。すべての努力を嫌い、のほほん顔でHを眺めて暮していた。馬鹿である。何も、しなかった。ずるずるまた、れいの仕事の手伝いなどを、はじめていた。けれども、こんど...


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