動き

 

動き ( うごき )     動きについてまとめて読む

物が動いている様子。

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2009年11月6日 14:05:02
2009年11月10日 04:05:50
2009年11月10日 04:05:51

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あの頃の自分の事 - 芥川 竜之介
  • ...の耽美主義には、この動きのとれない息苦しさの代りに、余りに享楽的な余裕があり過ぎた。氏は罪悪の夜光虫が明滅する海の上を、まるでエル・ドラドでも探して行くやうな意気込みで、悠々と船を進めて行つた。その点が氏は我々に、氏の寧(むしろ)軽蔑するゴオテイエを髣髴(はうふつ)させる所以(ゆゑん)だつた。ゴオテイエの病的傾向は、ボオドレエルのそれとひとしく世紀末の色彩は帯びてゐても、云はば活力に満ちた病的傾向だつた。更に洒落(しや)れて形容すれば、宝石の重みを苦にしてゐる、肥満したサルタンの病的傾向だつた。だから彼には谷崎氏と共に、ポオやボオドレエルに共通する切迫した感じが欠けてゐた。が、その代りに感覚的...
魚河岸 - 芥川 竜之介
  • ...鏡花の小説のように、動きっこはないとも思っていた。  客は註文を通した後(のち)、横柄(おうへい)に煙草をふかし始めた。その姿は見れば見るほど、敵役(かたきやく)の寸法(すんぽう)に嵌(はま)っていた。脂(あぶら)ぎった赭(あか)ら顔は勿論、大島(おおしま)の羽織、認(みと)めになる指環(ゆびわ)、――ことごとく型を出でなかった。保吉はいよいよ中(あ)てられたから、この客の存在を忘れたさに、隣にいる露柴(ろさい)へ話しかけた。が、露柴はうんとか、ええとか、好(い)い加減な返事しかしてくれなかった。のみならず彼も中(あ)てられたのか、電燈の光に背(そむ)きながら、わざと鳥打帽を目深(まぶか)に...
江口渙氏の事 - 芥川 竜之介
  • ...格の所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でなければ、近代的と云う語で形容しても好い。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷薄に近い物が必江口の感情を火照らせている。鉄が焼けるのに黒熱と云う状態がある。見た所は黒いが、手を触れれば、忽その手を爛(ただ)らせてしまう。江口の一本気の性格は、この黒熱した鉄だと云う気がする。繰返して云うが、決して唯の鉄のような所謂快男児などの類ではない。  それから江口の頭は批評家よりも、やはり創作家に出来上っている。議論をしても、論理よりは直観で押して行く方だ。だから江口の批評は、時によると脱線する...
大川の水 - 芥川 竜之介
  • ...かった。動くともなく動き、流るるともなく流れる大川の水の色は、静寂な書斎の空気が休みなく与える刺戟(しげき)と緊張とに、せつないほどあわただしく、動いている自分の心をも、ちょうど、長旅に出た巡礼が、ようやくまた故郷の土を踏んだ時のような、さびしい、自由な、なつかしさに、とかしてくれる。大川の水があって、はじめて自分はふたたび、純なる本来の感情に生きることができるのである。  自分は幾度となく、青い水に臨んだアカシアが、初夏のやわらかな風にふかれて、ほろほろと白い花を落すのを見た。自分は幾度となく、霧の多い十一月の夜(よ)に、暗い水の空を寒むそうに鳴く、千鳥の声を聞いた。自分の見、自分の聞くす...


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