午前
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2010年01月19日 01:56:00
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2009年12月26日 16:26:14
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「午前」を含む小説
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あの頃の自分の事 - 芥川 竜之介
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...日の事である。自分は午前の講義に出席してから、成瀬と二人で久米の下宿へ行つて、そこで一しよに昼飯を食つた。久米は京都の菊池が、今朝送つてよこしたと云ふ戯曲の原稿を見せた。それは「坂田藤十郎の恋」と云ふ、徳川時代の名高い役者を主人公にした一幕物だつた。読めと云ふから読んで見ると、テエマが面白いのにも関らず、無暗に友染縮緬(いうぜんちりめん)のやうな台辞(せりふ)が多くつて、どうも永井荷風氏や谷崎潤一郎氏の糟粕(さうはく)を嘗(な)めてゐるやうな観があつた。だから自分は言下(ごんか)に悪作だとけなしつけた。成瀬も読んで見て、やはり同感は出来ないと云つた。久米も我々の批評を聞いて、「僕も感服出来ない...
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芋粥 - 芥川 竜之介
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...ら、四五日たつた日の午前、加茂川の河原に沿つて、粟田口(あはたぐち)へ通ふ街道を、静に馬を進めてゆく二人の男があつた。一人は濃い縹(はなだ)の狩衣(かりぎぬ)に同じ色の袴をして、打出(うちで)の太刀を佩(は)いた「鬚黒く鬢(びん)ぐきよき」男である。もう一人は、みすぼらしい青鈍(あをにび)の水干に、薄綿の衣(きぬ)を二つばかり重ねて着た、四十恰好の侍で、これは、帯のむすび方のだらしのない容子(ようす)と云ひ、赤鼻でしかも穴のあたりが、洟(はな)にぬれてゐる容子と云ひ、身のまはり万端のみすぼらしい事|夥(おびただ)しい。尤も、馬は二人とも、前のは月毛(つきげ)、後のは蘆毛(あしげ)の三歳駒で、道...
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O君の新秋 - 芥川 竜之介
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...チヨツキを着たまま、午前十一時の裏庇(うらびさし)の下に七輪(しちりん)の火を起してゐた。焚きつけは枯れ松葉や松蓋(まつかさ)だつた。僕は裏木戸(うらきど)へ顔を出しながら、「どうだね? 飯(めし)は炊(た)けるかね?」と言つた。が、O君はふり返ると、僕の問には答へずにあたりの松の木へ顋(あご)をやつた。
「かうやつて飯を炊(た)いてゐるとね、松は皆焚きつけの木――だよ。」
×
パナマ帽をかぶつたO君は小高い砂丘に腰をおろし、せつせとブラツシユを動かしてゐた。柱だけの白いバンガロオが一軒、若い松の群立(むらだ)つた中にひつそりと鎧戸(よろひど)を下(おろ)してゐる。―...
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お時儀 - 芥川 竜之介
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...ても、風が吹いても、午前は八時発の下(くだ)り列車に乗り、午後は四時二十分着の上(のぼ)り列車を降りるのを常としていた。なぜまた毎日汽車に乗ったかと云えば、――そんなことは何でも差支えない。しかし毎日汽車になど乗れば、一ダズンくらいの顔馴染(かおなじ)みはたちまちの内に出来てしまう。お嬢さんもその中(うち)の一人である。けれども午後には七草(ななくさ)から三月の二十何日かまで、一度も遇ったと云う記憶はない。午前もお嬢さんの乗る汽車は保吉には縁のない上り列車である。
お嬢さんは十六か十七であろう。いつも銀鼠(ぎんねずみ)の洋服に銀鼠の帽子をかぶっている。背(せ)はむしろ低い方かも知れない。け...
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