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2010年02月6日 03:56:06
2010年01月18日 11:55:00
2009年05月25日 17:46:11
2009年10月30日 00:20:32
2009年11月13日 08:50:02

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藤棚の陰から - 寺田 寅彦
  • ...鉄の梯子(はしご)が取り付けてあるのによくすずめの群れが来て遊んでいる。まず一羽飛んで来て中段に止まる。あとからすぐに一羽追っかけて来て次の段にとまる。第三のが来て空中で羽ばたきしながら前の二羽に何か交渉しているらしく見える。けんかが始まる。一羽が逃げ出して上へ上へと階段を登って行く。二段ずつ飛ぶこともあり五六段ずつ飛び上がるときもある。地上七十余尺の頂上まで上ってしばらく四方を展望していると思うと、突然石でも落とすようにダイヴするが途中から急に横にそれて、直角双曲線を空中に描きながらどこかの庭木へ飛んで行く。しばらくするとまた煙突の梯子(はしご)へもどって来てそうして同じ遊戯を繰り返す。見て...
緑の軍港 - 牧野 信一
  • ...。近日中にエンヂンを取り付けて競技會へ出場させて見ようと考へてゐる。わたしは去年の秋、軍港街に移ると間もなく「鈴谷」進水式拜觀の光榮に浴し、續いて驅逐艦「しぐれ」特務艦「劍崎」の進水式に參列の榮を得て、ひたすら胸を躍らせ、行状の謹愼を保つた。わたしの壁の寫眞の中には閃く海神鉾に飜へる久壽玉から五彩のテープが舞ひ亂れ、翼の音も輕やかな數羽の鳩が放たれた瞬間に堂々たる巨體を、あはや麗かな海上へ乘り入らうとする處女艦の英姿があつた。  わたしはさういふ自分の小さな部屋で、造船作業の爲に夜を更かすことが多かつた。五分刈頭のわたしは、夜になると、街の被服商で購つて來た海兵用の白の作業服を着て、一服喫す...
髯籠の話 - 折口 信夫
  • ...)を一重に又は二層に取り付け、其陰に祇園巴の紋の附いた守袋を下げ、更に其下に三尺程づゝ間を隔てゝ十数本の緯棒(ヌキボウ)を通し、赤・緑・紺・黄などにけば/\しく彩つた無数の提灯を幾段にも掛け列ね、夜になると此に灯を点じて美しい。其又下は前に申した※(ワク)であつて、立派な縫箔(ヌヒハク)をした泥障(アホリ)をつけた、胴の高さ六尺余の太鼓を斜に柱にもたせかけ、膝頭までの揃ひの筒袖を着た男が、かはる/″\登つて、鈴木|主水(モンド)だの石井常右衛門だのゝ恋語りを、やんれ節の文句其儘に歌ひ揚げるのである。 昨年五月三十日相州三崎へ行つた時、同地祭礼で波打際に子供の拵へた天王様が置いてあつたが、やは...
シェイクスピアの郷里 - 野上 豊一郎
  • ...像は墓の上の壁に高く取り付けられてステインド・グラスを通す陽光を浴びているが、石造の半身像が彩色されてあるのは感心できない。伝うる所に依ると、グローブ座の近くに店を持っていて生前詩人の顔をよく見知っていたオランダの石工ヤンセンという男が、詩人の女婿ドクター・ジョン・ホールの依頼を受けて彫った物だという。片手で鵝ペンを持ち、片手で紙を押え、顎鬚をきちんと刈り込んで、いかにも幸福そうに顔を伸ばした相貌で、スコットやサー・シドニ・リーには評判がわるいが、(私自身もあまり感心しないが)、しかし、詩人の時代にできた二つきりの肖像の一つである。  内陣の西の隅のガラス箱に三百年前の教区登記簿が保存されて...
特許多腕人間方式 - 海野 十三
  • ...うに、その新規の腕を取り付けるかということについて、実際的な内容を説明しないと……」 「そんなことは、書かんでもいいです。ただあんたは、拙者のいったとおり、従来の人間は、ただ二本の腕だけを持っていた。そこへもう一本、腕を殖やすというのが、この発明である――それでいいじゃありませんか。このアイデアだけで、結構書ける筈だ」 「ですが、いくらアイデアがあっても、発明なるものは、特許法第一条の条文にもあるごとく、工業的価値がなければ、取れないのです。夢みたいなことだが、人間の欲望そのものだとかを特許に取ることはできません」 「そんなことは、拙者もよく心得ている。今いった私のアイデアは、もちろん工...


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