居酒屋

 

居酒屋 ( いざかや )     居酒屋についてまとめて読む

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2009年11月2日 18:15:00
2009年11月3日 11:10:03
2009年11月9日 18:55:00
2010年01月13日 07:31:00

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白痴 - 坂口 安吾
  • ...で行列していた駅前の居酒屋の疎開跡の棒切れだの爆弾に破壊されたビルの穴だの街の焼跡だの、それらの雑多のカケラの間にはさまれて白痴の顔がころがっているだけだった。  けれども毎日警戒警報がなる。時には空襲警報もなる。すると彼は非常に不愉快な精神状態になるのであった。それは彼の留守宅の近いところに空襲があり知らない変化が現に起っていないかという懸念であったが、その懸念の唯一の理由はただ女がとりみだして、とびだしてすべてが近隣へ知れ渡っていないかという不安なのだった。知らない変化の不安のために、彼は毎日明るいうちに家へ帰ることができなかった。この低俗な不安を克服し得ぬ惨めさに幾たび虚しく反抗したか...
朝 - 田山 花袋
  • ...別れてからでも、町の居酒屋で泥酔して、使(つかひ)を受けて迎へに行つたことなどもあつた。嫁に来た当座には、何処(どこ)か酒のない国に行き度(た)いと思つた。母親はよくかう子供等に話して聞かせた。しかし此頃では年を取つてもう大分おとなしくなつた。  盲目(めくら)のお婆さんは、座が定ると、懐(ふところ)から手拭を出して、それを例のごとく三角にして冠(かぶ)つた。暢気(のんき)な鼻唄が唸る(うな)るやうに聞え出した。 『暢気なものだねえ。もう鼻唄が出たよ』  母親は其処(そこ)に立つて居る次男に小声で言つた。  岸には送つて来た人々が並んだ。門の前で別れて来た人もあつた。町の入口で別れをつ...
田園の幻 - 豊島 与志雄
  • ...ろいろ並べ、かたわら居酒屋をやってる店である。主人はもと町の運送屋に働いていて、さまざまなことをやってきた男らしいが、村に引込んでからは、お上さんと二人でその小店を初めた。小布や化粧品などのストックをたくさん持ってるとの噂もある。川崎あたりの工場か酒場かに働いていた娘の花子を呼び戻してから、居酒屋をも兼業した。長男夫婦は別居して、律気に農業をやっている。  その居酒屋に、私は何度か立ち寄って、土間の汚い木卓で飲んだ。花子がお燗をしてくれ、時にはお酌をしてくれる。  丸みがかった顔に、眼が大きく目立つ、色の白い女である。眼が目立つといっても、奥深い色を湛えてるとか、視線が鋭いとかではなく、た...
城ヶ島の春 - 牧野 信一
  • ...  わたしは城ヶ島の居酒屋で、波のひゞきに聽き惚れ、燈台のまたたきにうつゝを拔かしてゐるうちに、不圖時刻を知つて、やけの唸り聲を發するのが屡々だつた。  雨は降ることもなく、壘々たる磯の起伏に、たゞ見る一面なるひかりがあふれて、風來の壯子(わたし)のふかす莨の煙りが、ゆらゆらとして陽炎と見えるばかりであつた。わたしは、水際の岩の日溜りに仰向けとなつて、ぷんぷんとする島酒の宿醉を醒したがつて、空ばかりを仰いでゐると、いまにも風船のやうにふわふわと浮びあがりさうな長閑な天と湯氣のやうな陽炎を身のまはりに深々と感ずるのであつた。  ゆうべ、島の李太白(よつぱらひ)が――一體、お前は何...
ゼーロン - 牧野 信一
  • ...「あの頃のお前は村の居酒屋で生気を失っている僕を――」と殊更にその通りの思い入れで、ぐったりとして、恰も人間に物言うが如くさめざめと親愛の情を含めて、 「ちゃんとこの背中に乗せて、深夜の道を手綱を執る者もなくとも、僕の住家まで送り届けてくれた親切なゼーロンであったじゃないかね!」と掻(か)きくどきながら、おお、酔いたりけりな、星あかりの道に酔い痴(し)れて、館へ帰る戦人(もののふ)の、まぼろしの憂ひを誰(たれ)ぞ知る、行けルージャの女子達……私はホメロス調の緩急韻で歌ったが、ゼーロンは飽くまでも腑抜(ふぬ)けたように白々しく埒もない有様であった。鈍重な眼蓋(まぶた)を物憂(ものう)げに伏せた...


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