本当にあった

 

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2009年05月30日 14:05:42
2009年10月22日 21:26:41
2009年10月29日 23:05:49
2009年05月21日 01:35:36
2009年10月27日 07:15:02

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「本当にあった」を含む小説

秋の幻 - 豊島 与志雄
  • ...。 「そんなことが本当にあったらねえ。」と暫くして母は云った。そしてその言葉で、二人の心は一つに融けて、秋の高い大空のうちに吸い込まれていった。  夕方から晩になると、田舎の村落は恐ろしいほど静まり返った。ランプの火の燃ゆる面がかすかに聞き取られた。そして彼と母とは、よく縁側で月を眺めながらも、虫の音に促さるるようにして、一人の小さい下女に戸締りをさして床に就いた。  朝は早く起きた。それでももう朝日の光りは朝靄を通して、露の玉を葉末にきらきらと輝かしていた。遠くから、鶏の啼く声がしたり、野に出る馬の嘶く声が聞えたりした。男等は皆稲の取り入れに出かけていた。そして朝の用事をすまして後から...
世界怪談名作集 11 聖餐祭 - フランス アナトール
  • ...したのですが、これは本当にあった話だと思います。それというのは、この話はすべてその昔に私が見知っている……今はこの世にいない人たちの様子や特別な風習に符合(ふごう)しているからです。わたしは子供のときから、死人のことにずいぶんかかり合いましたが、死人はみな自分の愛している人のところへ立ち帰るものです。  吝嗇(りんしょく)な人間が生前に隠して置いた財物(ざいもつ)の附近に、夜中徘徊するというのもやはりこのわけです。この人たちは自分の黄金(こがね)に対して厳重な見張りをしているのです。死人として、しなくともいいことをして自分で自分を苦しめ、かえって自分の不利益になってしまうのです。  幽霊の...
四月馬鹿 - 織田 作之助
  • ...田さんともあろう人が本当にあった話をそのまま淡い味の私小説にする筈がないと思った。「私」が出て来るけれど、作者自身の体験談ではあるまい。「雪の話」以後の武田さんの小説には、架空の話を扱って「私」が顔を出す、いわゆる私小説でない「私」小説が多かったのではあるまいか。武田さん自身言っていたように「リアリズムの果ての象徴の門に辿りついた」のが、これらの一見私小説風の淡い味の短篇ではなかったか。淡い味にひめた象徴の世界を覗(うかが)っていたのであろう。泉鏡花の作品のようにお化けが出ていたりしていた。もっとも鏡花のお化けは本物のお化けであったが、武田さんのお化けは人工のお化けであった。だから、つまらない...
M侯爵と写真師 - 菊池 寛
  • ...爵に御馳走する意志が本当にあったかないかは別問題として、口先で「フランス料理を食わせてやる」といったことだけは、本当のように思われるのです。それが冗談半分であったか、お世辞であったか、捨て台詞であったか、とにかく侯爵が「フランス料理を食わせてやる。金曜においで」といったことだけは、本当のように僕には思われるのです。  その侯爵の冗談に、愛嬌に、気の早い一本調子の杉浦が、有無をいわせず、食いついたのです。世の中に、お世辞食いというやつがありますが、杉浦のやつは全くそれを文字通りに実行したのです。僕は、そう考えてくると、お世辞にいったことを真に受けて、時刻も違(たが)えず、家令を脅迫してまで、ま...
世界怪談名作集 10 廃宅 - ホフマン エルンスト・テオドーア・アマーデウス
  • ...し)を聞いた子供が、本当にあったことだと信じていながらも、ふとした気まぐれにそれを嘘だと思ってみるような心持ちであった。しかし私は自分が馬鹿であるということに気がついた。かの家は依然としてその外形になんの変化もなく、いろいろの空想は自然に私の頭の中から消えてしまった。ところが、ある日偶然の出来事から再び私の空想が働き出すようになったのである。  私はいつもの通りにこの並木通りを散歩しながら、かの廃宅の前まで来ると、無意識に二階のカーテンのおりている窓をみあげた。その時、菓子屋の方に接近している最後の窓のカーテンが動き出して、片手が、と思う間に一本の腕がその襞(ひだ)の間から現われた。私は早速...


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