根本

 

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2010年01月20日 04:56:11
2009年10月21日 18:26:09
2009年10月23日 18:40:27

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奇怪な再会 - 芥川 竜之介
  • ...聞くと、彼女の予想は根本から、間違っていた事が明かになった。 「いえ、御願いと申しました所が、大した事でもございませんが、――実は近々(きんきん)に東京中が、森になるそうでございますから、その節はどうか牧野同様、私も御宅へ御置き下さいまし。御願いと云うのはこれだけでございます。」  相手はゆっくりこんな事を云った。その容子(ようす)はまるで彼女の言葉が、いかに気違いじみているかも、全然気づいていないようだった。お蓮は呆気(あっけ)にとられたなり、しばらくはただ外光に背(そむ)いた、この陰気な女の姿を見つめているよりほかはなかった。 「いかがでございましょう? 置いて頂けましょうか?」 ...
戯作三昧 - 芥川 竜之介
  • ...な――彼自身の実力が根本的に怪しいやうな、忌(いま)はしい不安を禁じる事が出来ない。 「自分はさつきまで、本朝(ほんてう)に比倫を絶した大作を書くつもりでゐた。が、それもやはり事によると、人並に己惚(うぬぼ)れの一つだつたかも知れない。」  かう云ふ不安は、彼の上に、何よりも堪へ難い、落莫たる孤独の情を齎(もたら)した。彼は彼の尊敬する和漢の天才の前には、常に謙遜(けんそん)である事を忘れるものではない。が、それ丈に又、同時代の屑々(せつせつ)たる作者輩に対しては、傲慢(がうまん)であると共に飽迄(あくまで)も不遜である。その彼が、結局自分も彼等と同じ能力の所有者だつたと云ふ事を、さうして...
戯作三昧 - 芥川 竜之介
  • ...な――彼自身の実力が根本的に怪しいような、いまわしい不安を禁じることが出来ない。 「自分はさっきまで、本朝に比倫を絶した大作を書くつもりでいた。が、それもやはり事によると、人なみに己惚(うぬぼ)れの一つだったかも知れない。」  こういう不安は、彼の上に、何よりも堪えがたい、落莫(らくばく)たる孤独の情をもたらした。彼は彼の尊敬する和漢の天才の前には、常に謙遜(けんそん)であることを忘れるものではない。が、それだけにまた、同時代の屑々(せつせつ)たる作者輩に対しては、傲慢(ごうまん)であるとともにあくまでも不遜である。その彼が、結局自分も彼らと同じ能力の所有者だったということを、そうしてさら...
孤独地獄 - 芥川 竜之介
  • ...、凡(およそ)先づ、根本地獄、近辺地獄、孤独地獄の三つに分つ事が出来るらしい。それも南瞻部洲下過五百踰繕那乃有地獄(なんせんぶしうのしもごひやくゆぜんなをすぎてすなはちぢごくあり)と云ふ句があるから、大抵は昔から地下にあるものとなつてゐたのであらう。唯、その中で孤独地獄だけは、山間曠野樹下空中(さんかんくわうやじゆかくうちゆう)、何処へでも忽然として現れる。云はば目前の境界(きやうがい)が、すぐそのまま、地獄の苦艱(くげん)を現前するのである。自分は二三年前から、この地獄へ堕ちた。一切の事が少しも永続した興味を与へない。だから何時でも一つの境界から一つの境界を追つて生きてゐる。勿論それでも地獄...


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