置き場

 

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2009年05月29日 17:14:00
2009年12月15日 06:05:00
2010年01月15日 21:41:07
2010年01月22日 00:30:23
2010年01月27日 18:06:08

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白痴 - 坂口 安吾
  • ...けで、生活自体に机の置き場所が変ったほどの変化も起きてはいなかった。彼は毎朝出勤し、その留守宅の押入の中に一人の白痴が残されて彼の帰りを待っている。しかも彼は一足でると、もう白痴の女のことなどは忘れており、何かそういう出来事がもう記憶にも定かではない十年二十年前に行われていたかのような遠い気持がするだけだった。  戦争という奴が、不思議に健全な健忘性なのであった。まったく戦争の驚くべき破壊力や空間の変転性という奴はたった一日が何百年の変化を起し、一週間前の出来事が数年前の出来事に思われ、一年前の出来事などは、記憶の最もどん底の下積の底へ隔てられていた。伊沢の近くの道路だの工場の四囲の建物など...
拊掌談 - 芥川 竜之介
  • ...履(は)く為に下駄の置き場所へ行つたのである。そこにはあるべき下駄がなかつた。いくら捜(さが)してもない。僕は上草履(うはざうり)をはいてゐた。外には雨がひどく降つてゐる。  全く弱つて仕舞(しま)つた。併(しか)しそこには僕のでない汚(きたな)い下駄は一足あつたのである。それを欲しいと思つた。とりたいと思つた。  結局その時はその下駄をとらなかつたが、あの場合あの下駄をとつたとしても、それは仕方のない事だと思ふ。 (大正十五年二月) 底本:「筑摩全集類聚 芥川龍之介全集第四巻」筑摩書房    1971(昭和46)年6月5日初版第1刷発行    1979(昭和54)年4...
私の書斎 - 土田 杏村
  • ...い。今では全く書物の置き場所が苦になつてゐるのである。自分は東京へ移転しようかと思ふ時もあるが、さう考へて何より困るのはこれらの書物の始末だ。私などの這入れる借家では、ちょつとこれだけの書物を置く場所がない。  雑誌も沢山買つてゐるが、又随分沢山貰つてもゐる。だから有名な雑誌は大抵ある。毎月七十種位の雑誌は来ることと思ふ。勿論一々読む訳ではないがそれでもやはり欲しい。寄贈してくれる雑誌なら何でも欲しい。それも一冊でも捨てないやうに保存してある。新聞も一年分位は保存してある。これらはいざ評論を書くといふ時に資料となるのだ。雑誌も東京から京都へ移る時、必要がないと思つて売り払つたものに今必要とな...
フランドン農学校の豚 - 宮沢 賢治
  • ...豚は身体(からだ)の置き場もなく鼻で敷藁を掘(ほ)ったのだ。 「おおい、いよいよ急がなきゃならないよ。先頃(せんころ)の死亡承諾書ね、あいつへ今日はどうしても、爪判を押して貰いたい。別に大した事じゃない。押して呉れ。」 「いやですいやです。」豚は泣く。 「厭(いや)だ? おい。あんまり勝手を云うんじゃない、その身体(からだ)は全体みんな、学校のお陰で出来たんだ。これからだって毎日麦のふすま二升阿麻仁二合と玉蜀黍の、粉五合ずつやるんだぞ、さあいい加減に判をつけ、さあつかないか。」  なるほど斯(こ)う怒(おこ)り出して見ると、校長なんというものは、実際恐いものなんだ。豚はすっかりおびえて...
半七捕物帳 07 奥女中 - 岡本 綺堂
  • ...はまちょうがし)の石置き場のかげから、二、三人の男が出て来まして、いきなりお蝶をつかまえて、猿轡(さるぐつわ)をはめて、両手をしばって、眼隠しをして、そこにあった乗物のなかへ無理に押し込んで、どこへか担いで行ってしまったんだそうでございます。娘も夢中で揺られて行きますと、それから何処をどう行ったのか判りませんが、なんでも大きな御屋敷のようなところへ連れ込まれたんだそうで……。それも遠いか近いか、ちっとも覚えていなかったそうでございます」  お蝶はそれから奥まった座敷へつれて行かれた。三、四人の女が出て来て、かれの眼隠しや猿轡をはずして、両手の縛(いまし)めをも解いてくれた。やがてこの間の女が...


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