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2009年11月3日 15:46:24
2009年11月25日 22:16:10
2009年12月1日 15:38:02
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或阿呆の一生 - 芥川 竜之介
  • ...た。 「けふは半日自動車に乗つてゐた。」 「何か用があつたのですか?」  彼の先輩は頬杖(ほほづゑ)をしたまま、極めて無造作に返事をした。 「何、唯乗つてゐたかつたから。」  その言葉は彼の知らない世界へ、――神々に近い「我(が)」の世界へ彼自身を解放した。彼は何か痛みを感じた。が、同時に又|歓(よろこ)びも感じた。  そのカツフエは極(ごく)小さかつた。しかしパンの神の額(がく)の下には赭(あか)い鉢に植ゑたゴムの樹が一本、肉の厚い葉をだらりと垂らしてゐた。      六 病  彼は絶え間ない潮風の中に大きい英吉利(イギリス)語の辞書をひろげ、指先に言葉を探してゐた。...
お律と子等と - 芥川 竜之介
  • ...んど走るように、市街自動車や電車が通る大通りの方へ歩いて行った。  大通りは彼の店の前から、半町も行かない所にあった。そこの角(かど)にある店蔵(みせぐら)が、半分は小さな郵便局に、半分は唐物屋(とうぶつや)になっている。――その唐物屋の飾り窓には、麦藁帽(むぎわらぼう)や籐(とう)の杖が奇抜な組合せを見せた間に、もう派手(はで)な海水着が人間のように突立っていた。  洋一は唐物屋の前まで来ると、飾り窓を後(うしろ)に佇(たたず)みながら、大通りを通る人や車に、苛立(いらだ)たしい視線を配(くば)り始めた。が、しばらくそうしていても、この問屋(とんや)ばかり並んだ横町(よこちょう)には、人...
河童 - 芥川 竜之介
  • ...み木にはさまれた道を自動車が何台も走っているのです。  やがて僕を載せた担架は細い横町(よこちょう)を曲ったと思うと、ある家(うち)の中へかつぎこまれました。それは後(のち)に知ったところによれば、あの鼻目金をかけた河童の家、――チャックという医者の家だったのです。チャックは僕を小ぎれいなベッドの上へ寝かせました。それから何か透明な水薬(みずぐすり)を一杯飲ませました。僕はベッドの上に横たわったなり、チャックのするままになっていました。実際また僕の体(からだ)はろくに身動きもできないほど、節々(ふしぶし)が痛んでいたのですから。  チャックは一日に二三度は必ず僕を診察にきました。また三日に...
奇遇 - 芥川 竜之介
  • ...かまっていずに、早く自動車でも御呼びなさい。 小説家 そうですか。それは大変だ。ではさようなら。何分(なにぶん)よろしく。 編輯者 さようなら、御機嫌好う。 (大正十年三月) 底本:「芥川龍之介全集4」ちくま文庫、筑摩書房    1987(昭和62)年1月27日第1刷発行    1993(平成5)年12月25日第6刷発行 底本の親本:「筑摩全集類聚版芥川龍之介全集」筑摩書房    1971(昭和46)年3月〜1971(昭和46)年11月 入力:j.utiyama 校正:かとうかおり 1998年12月19日公開 2004年3月8日修正 青空文庫作成ファイル:...


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