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2010年01月4日 14:25:25
2010年01月20日 05:35:00
2010年01月20日 05:41:04

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言葉の不思議 - 寺田 寅彦
  • 言葉の不思議 寺田寅彦    一 「鉄塔」第一号所載|木村房吉(きむらふさきち)氏の「ほとけ」の中に、自分が先年「思想」に書いた言語の統計的研究方法(万華鏡(まんげきょう)所載)に関する論文のことが引き合いに出ていたので、これを機縁にして思いついた事を少し書いてみる。 「わらふ」と laugh についてもいろいろなおもしろい事実がある。laugh は (A|S(*).)hlehhan から出たことになっているらしいが、この最初のhがとれて英語やドイツ語になり、そのhが「は」になり、それから「わ」になったと仮定するとどうやら日本語の「笑ふ」になりそうである。ギリシアの gel
倫敦塔 - 夏目 漱石
  • 倫敦塔 夏目漱石  二年の留学中ただ一度|倫敦塔(ロンドンとう)を見物した事がある。その後(ご)再び行こうと思った日もあるがやめにした。人から誘われた事もあるが断(ことわ)った。一度で得た記憶を二|返目(へんめ)に打壊(ぶちこ)わすのは惜しい、三(み)たび目に拭(ぬぐ)い去るのはもっとも残念だ。「塔」の見物は一度に限ると思う。  行ったのは着後|間(ま)もないうちの事である。その頃は方角もよく分らんし、地理などは固(もと)より知らん。まるで御殿場(ごてんば)の兎(うさぎ)が急に日本橋の真中(まんなか)へ抛(ほう)り出されたような心持ちであった。表へ出れば人の波にさらわれるかと思い
死後 - 正岡 子規
  • 死後 正岡子規  人間は皆一度ずつ死ぬるのであるという事は、人間皆知って居るわけであるが、それを強く感ずる人とそれ程感じない人とがあるようだ。或人はまだ年も若いのに頻りに死という事を気にして、今夜これから眠ったらばあしたの朝は此儘死んでいるのではあるまいかなどと心配して夜も眠らないのがある。そうかと思うと、死という事に就て全く平気な人もある。君も一度は死ぬるのだよ、などとおどかしても耳にも聞こえない振りでいる。要するに健康な人は死などという事を考える必要も無く、又暇も無いので、唯夢中になって稼ぐとか遊ぶとかしているのであろう。  余の如き長病人は死という事を考えだす様な機会にも度
情景(秋) - 宮本 百合子
  • ...りへ入ったら後から Head light、そうかな。こっち止る、うしろも止る。すると緑が出て来てドアを外からあけてくれる。そういうものごしの中にある スラリとして細かいところ。      秋の夕映 午後五時頃、  廊下へ出て見るとまるでつき当りの窓が赤い。  空を見ると 冴えた水色とすこし澱(にご)った焔のような紅色とが横だんだらに空じゅうひろがっている。何だか他の季節の夕やけのように光の暖みを感じられず 只色どりの激しさのみ感じられ、変に不安を刺戟されるような印象である。  その横まだらの空に 葉を半ば落したサイカチの梢がそびえている。 ○十一月の或小雨もよ...


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